ChatGPTソラ先生と学ぶ!初心者のためのAI入門講座【第62回】ChatGPTでお客様向けFAQを作る方法|問い合わせ内容の整理から、分かりやすい案内ページの作成まで
こんにちは、ソラ先生です。
前回は、ChatGPTを使って社内FAQを作成する方法を学びました。
社内で繰り返し質問される内容を整理し、正式な資料に基づいて回答を作成する授業でした。
今回は、その考え方をお客様向けのホームページへ広げてみましょう。
「問い合わせる前に、確認しておきたいことがある」
「初めて依頼するので、何を準備すればよいか分からない」
「料金や納期について、どこまで相談できるの?」
「ホームページを読んでも、自分の場合に対応してもらえるか分からない」
こうした疑問に答えるのが、お客様向けFAQです。
ChatGPTを使えば、お客様からの質問を整理し、専門的な内容を分かりやすく説明する文章を作成できます。
ただし、AIが作った回答をそのまま公開すると、実際には対応していないサービスや、保証できない条件を掲載してしまう可能性があります。
今回は、お客様が必要な情報を見つけ、自分に合った相談方法を判断できるFAQの作り方を学びます。
1.お客様向けFAQは何のために作るの?
FAQとは「Frequently Asked Questions」の略で、よくある質問と回答をまとめたものです。
お客様向けFAQには、次のような役割があります。
- 問い合わせ前の疑問を解消する
- 商品やサービスの内容を理解してもらう
- 相談するために必要な情報を伝える
- 誤解しやすい条件を説明する
- 必要なページへ案内する
例えば、初めて部品加工を依頼する人がいたとします。
「図面がないと相談できないの?」
「1個だけでも依頼できるの?」
「どんな材料に対応しているの?」
「見積もりには何が必要なの?」
こうした疑問に対して、ホームページ上で確認できる情報があれば、相談しやすくなる可能性があります。
一方、実際の条件が分からないまま「何でも対応できます」と掲載してしまうと、お客様に誤解を与えてしまいます。
FAQの目的は、問い合わせを増やすことだけではありません。
お客様が正しい情報を得て、安心して次の行動を選べるようにすることです。
2.社内FAQとの違いを理解しよう
前回学んだ社内FAQは、従業員が仕事を進めるための情報を整理するものでした。
一方、お客様向けFAQは、会社の内部事情を知らない人にも理解できる必要があります。
| 比較項目 | 社内FAQ | お客様向けFAQ |
|---|---|---|
| 読む人 | 従業員・関係者 | お客様・初めての訪問者 |
| 主な内容 | 社内手順・運用ルール | サービス・依頼条件・相談方法 |
| 用語 | 社内用語を使う場合がある | 初めての人にも分かる表現 |
| 公開範囲 | 社内限定が基本 | 一般公開を想定 |
| 特に重要な確認 | 社内規程との整合 | 実際の対応条件・公開の可否 |
例えば、社内FAQに「見積書は指定フォルダーに保存する」と書かれていても、お客様向けには通常必要ありません。
代わりに、「見積もりはどのように依頼できますか?」という案内が役立つでしょう。
読む人が違えば、必要な情報も変わります。
3.最初に実際のお客様の質問を集めよう
FAQを作ろうとすると、ChatGPTへすぐに、
「よくある質問を20個作ってください」
と依頼したくなるかもしれません。
しかし、その方法だけでは、自社のお客様が本当に知りたい内容を把握できません。
そこで、まず実際の質問を集めましょう。
例えば、次のような情報が参考になります。
① 問い合わせメール
お客様から繰り返し質問されている内容。
② 電話での問い合わせ
初めて相談する人が確認していること。
③ 見積もり時の確認事項
仕様や数量など、依頼前に必要となる情報。
④ 営業担当者への質問
お客様が判断に迷いやすい内容。
⑤ ホームページの検索データ
どんな検索語句でページが見つかっているか。
ChatGPTには、
「これまでに実際のお客様から寄せられた質問を整理したいです。質問の意味を変更せず、共通するテーマごとに分類してください」
と依頼できます。
なお、お客様の名前、メールアドレス、電話番号、非公開の案件情報などは、必要に応じて除外してから利用しましょう。
4.実践!加工会社の質問を分類してみよう
今回は、架空の加工会社へ次の質問が寄せられたとします。
- 図面がなくても相談できますか?
- 1個からでも製作できますか?
- どんなプラスチック材料に対応していますか?
- 3Dデータを送ってもいいですか?
- 見積もりには何が必要ですか?
- 納期はどのくらいですか?
- 金属部品も相談できますか?
- 既存部品と同じものを製作できますか?
- 加工方法が分からなくても相談できますか?
- 送料や支払い条件はどうなっていますか?
これらは練習用の質問です。
ChatGPTへ、次のように入力してみましょう。
「この10個の質問を、相談方法、対応内容、必要資料、納期・取引条件の4分野に分類してください。質問の意味は変更しないでください」
例えば、次のように整理できます。
| 分類 | 質問番号 |
|---|---|
| 相談方法 | 1・9 |
| 対応内容 | 2・3・7・8 |
| 必要資料 | 4・5 |
| 納期・取引条件 | 6・10 |
分類することで、FAQページの構成を考えやすくなります。
ただし、同じ質問が複数の分類に関係する場合もあります。
必要に応じて、別の分類からも見つけられるようにしましょう。
5.ChatGPTに回答を作らせる前に確認すること
質問を整理したら、次は回答です。
ここで重要なのは、実際の会社がどのように対応しているかを確認することです。
例えば、
「1個からでも製作できますか?」
という質問です。
ChatGPTが一般的な試作加工会社の説明を参考に、
「はい。1個から対応しています」
と回答したとします。
しかし、その会社が本当に1個から受注しているかどうかは、別の問題です。
そこで、
「この質問への回答を作成したいです。実際の対応条件はまだ伝えていません。会社の正式な回答を作るために、確認すべき情報を整理してください」
と依頼しましょう。
確認できていないサービスや条件を、事実として掲載しないことが大切です。
6.回答は短ければいいの?
FAQでは、質問に対して分かりやすく答えることが重要です。
しかし、短い回答だけでは、必要な条件が伝わらない場合があります。
例えば、
質問:納期はどのくらいですか?
回答:お問い合わせください。
これでは、なぜ問い合わせが必要なのか分かりません。
一方、実際の仕事では材質、加工方法、数量、仕様、設備の稼働状況などによって納期が変わる場合があります。
その場合は、確認できた会社の運用に合わせて、
「納期は製作内容や数量などによって異なります。ご希望の納期がある場合は、相談時にお知らせください」
と説明する方法が考えられます。
ただし、この文章もあくまで回答例です。
正式な公開前には、実際の受付方法や納期の運用と一致するか確認する必要があります。
分かりやすい回答とは、単に短い文章ではなく、判断に必要な条件が伝わる文章です。
7.「はい」「いいえ」で答えられない質問もある
お客様からの質問には、条件によって答えが変わるものがあります。
例えば、
「既存の部品と同じものを作れますか?」
という質問です。
製品の材質や形状、寸法、数量、求められる精度などによって、対応方法が変わるかもしれません。
この場合、
「必ず製作できます」
と断定するのは適切ではありません。
逆に、
「できません」
と決めつけることもできません。
そこで、ChatGPTには、
「この質問について、回答するために必要な条件を整理してください。実際の対応可否が未確認の段階では、可能とも不可能とも断定しないでください」
と依頼します。
FAQでは、答えが条件によって変わること自体を分かりやすく説明する方法もあります。
8.専門用語を分かりやすく説明する
製造業に限らず、業界には多くの専門用語があります。
例えば、
「公差」
「切削加工」
「射出成形」
「3D CAD」
「試作」
といった言葉です。
専門家には当たり前の表現でも、初めて依頼する人には分かりにくいことがあります。
そこでChatGPTへ、
「『公差』という言葉を、製造業の専門知識がない人にも分かるように説明してください。必要に応じて具体例を使い、技術的な意味を変えないようにしてください」
と依頼できます。
例えば、公差は、製品の寸法などに認められる許容範囲を表す考え方として説明できます。
ただし、実際の公差の指定方法や検査条件は、対象製品や適用規格によって異なります。
簡単に説明する場合も、重要な技術条件を省略しすぎないことが大切です。
9.一つの質問に複数の疑問が含まれていない?
FAQの質問文が長すぎる場合、複数の疑問が混ざっていることがあります。
例えば、
「図面がなくても、1個から、短納期で、見積もり無料で相談できますか?」
という質問です。
ここには、少なくとも4つの確認事項があります。
① 図面がない場合の相談。
② 1個からの製作。
③ 短納期への対応。
④ 見積もり費用。
これらは、それぞれ回答の条件が異なる可能性があります。
そこで、
「この質問に含まれる複数の疑問を分けてください。それぞれ独立したFAQにした方がよいか検討してください」
と依頼します。
一つの回答へ何でも詰め込むより、読者が必要な項目を探しやすくなる場合があります。
10.FAQの見出しは、お客様の言葉で作ろう
FAQの分類には、会社側の専門的な表現を使ってしまう場合があります。
例えば、
「技術対応範囲について」
という見出しです。
内容によっては、初めてのお客様には分かりにくいかもしれません。
一方、
「どんな加工を相談できますか?」
という表現なら、質問の内容を想像しやすくなります。
ChatGPTには、
「このFAQの質問文を、初めてホームページを訪れるお客様にも分かりやすい言葉へ変更してください。ただし、質問の意味や対応条件は変えないでください」
と依頼できます。
ただし、すべての専門用語を削除すればよいわけではありません。
技術者が検索する際に使う正式な用語も、必要に応じて残しましょう。
11.FAQから関連ページへ案内する
お客様向けFAQは、回答を読んで終わるだけではありません。
必要に応じて、詳しい情報が掲載されているページへ案内できます。
例えば、
質問:どんな材料に対応していますか?
というFAQがあったとします。
回答の中で、材料について詳しく説明するページへ案内する方法があります。
また、
質問:どのように見積もりを依頼できますか?
というFAQなら、問い合わせ方法を説明したページへ案内できます。
ただし、すべてのFAQに問い合わせボタンを設置する必要はありません。
単純な用語の説明であれば、関連記事へのリンクだけで十分な場合もあります。
ChatGPTには、
「このFAQを読んだ人が次に必要とする可能性のある情報を整理してください。関連するページが実在する場合に限り、自然な内部リンクを提案してください」
と依頼しましょう。
12.FAQをSEO対策にも活用できるの?
お客様向けFAQには、検索エンジンから訪問する人の疑問に答える役割もあります。
例えば、
「図面なし 試作 相談」
「プラスチック加工 1個から」
「樹脂加工 見積もり 必要なもの」
といった検索語句を考えてみましょう。
これは検索クエリの例であり、実際の検索データではありません。
こうした疑問に対して、分かりやすい回答が用意されていれば、訪問者の役に立つ可能性があります。
ただし、FAQを増やせば必ず検索順位が上がるわけではありません。
また、検索結果でFAQ形式の特別な表示が出るとも限りません。
GoogleのFAQリッチリザルトには表示対象の制限があり、一般的な企業サイトがFAQ構造化データを追加しただけで、特別な検索表示を得られるわけではありません。
まずは、お客様の疑問に正確に答えることを優先しましょう。
13.FAQを増やしすぎると逆効果?
FAQが便利だからといって、質問を大量に掲載すればよいわけではありません。
例えば、100個の質問が一つのページに並んでいたとします。
分類も検索機能もなければ、必要な答えを探すのが大変かもしれません。
そこで、次のような整理方法を考えます。
① よく確認される基本的な質問を上部に配置する
② 内容ごとに分類する
③ 詳しい説明が必要な場合は別ページへ案内する
④ 古い質問や重複した質問を見直す
⑤ 必要に応じて検索機能を設ける
ただし、FAQの適切な件数は、サイトの目的や読者によって異なります。
ChatGPTには、
「このFAQ一覧について、初めて訪問する人が必要な回答を見つけやすい構成を考えてください。質問を無理に削除せず、分類と優先順位を整理してください」
と依頼できます。
14.問い合わせ内容からFAQを改善する
FAQを公開した後も、お客様からの問い合わせは続きます。
そこで、実際の問い合わせ内容を確認してみましょう。
例えば、FAQに「見積もりの依頼方法」を掲載しているのに、同じ質問が何度も届く場合です。
考えられる原因には、次のようなものがあります。
① FAQが見つけにくい
ページへの案内が分かりにくい可能性があります。
② 回答が分かりにくい
説明に専門用語が多い場合があります。
③ 回答に必要な情報が不足している
実際の手順が明確でない可能性があります。
④ 質問した方が早いと感じられている
ホームページだけで調べるより、直接相談したい人もいるでしょう。
ただし、同じ問い合わせが届いたからといって、必ずFAQに問題があるとは限りません。
ChatGPTには、
「FAQ公開後にも同じ問い合わせが届いています。考えられる原因を整理し、実際に確認する方法を提案してください」
と依頼できます。
15.料金や納期の回答では何に注意する?
お客様向けFAQで特に注意したいのが、料金や納期です。
例えば、
「見積もりは無料ですか?」
「納期は何日ですか?」
「追加費用は発生しますか?」
といった質問です。
これらは、実際の取引条件によって回答が変わる可能性があります。
例えば、標準的な相談では費用が発生しなくても、特別な調査や設計業務が必要な場合には、別の条件が適用されることも考えられます。
しかし、実際の会社のルールが確認できなければ、正しい回答は作れません。
そこでChatGPTへ、
「料金や納期に関するFAQを作成したいです。回答を確定する前に、正式な取引条件として確認すべき項目を整理してください」
と依頼しましょう。
公開後に誤解が生まれないよう、条件や例外を分かりやすく説明することが大切です。
16.公開してはいけない情報を確認する
社内で扱っている情報を、そのままお客様向けFAQに掲載してはいけません。
例えば、次のような情報です。
- お客様ごとの個別価格
- 取引先の非公開情報
- 秘密保持契約の対象となる仕様
- 社内の認証情報
- 公開許可のない図面や写真
- 未承認のサービスや対応条件
こうした情報が含まれていないか確認しましょう。
ChatGPTには、
「このFAQ原稿について、個人情報、取引先の秘密情報、未承認の条件など、公開前に確認が必要な項目を整理してください」
と依頼できます。
ただし、AIが問題を指摘しなかったからといって、すべて公開可能だとは限りません。
正式な公開前には、責任者や関係者の確認が必要です。
17.FAQページを作るときのチェックリスト
FAQの原稿が完成したら、公開前に確認しましょう。
内容の確認
- 質問は実際のお客様の疑問に合っているか
- 回答は正式な情報と一致しているか
- 対応していないサービスを掲載していないか
- 料金や納期の条件が正しく説明されているか
読みやすさの確認
- 質問の意味が分かりやすいか
- 専門用語に必要な説明があるか
- 回答が長すぎて探しにくくなっていないか
- スマートフォンでも読みやすいか
操作の確認
- 関連ページへのリンクが正しいか
- 問い合わせ先へ移動できるか
- メニューからFAQを見つけられるか
- 必要な場合に前のページへ戻れるか
管理の確認
- 最終確認日を記録したか
- 回答の確認担当が明確か
- 更新が必要な場合の方法を決めたか
ChatGPTにチェックリストを作ってもらうこともできますが、実際の公開画面やリンクの動作は自分でも確認しましょう。
18.今日のミニレッスン
今回は、架空の加工会社のお客様向けFAQを作成してみましょう。
ステップ① 質問を集める
ChatGPTへ、次の5つを入力してください。
「図面がなくても相談できますか?」
「1個からでも製作できますか?」
「見積もりには何が必要ですか?」
「納期はどのくらいですか?」
「どんな材料に対応していますか?」
ステップ② 質問を分類する
「この5つの質問を、相談方法、製作条件、見積もり・納期の分野に分類してください」
と依頼します。
ステップ③ 回答に必要な情報を整理する
「これらの質問へ正式に回答するために、会社側で確認しなければならない条件を整理してください。実際の対応内容を推測しないでください」
と質問します。
ステップ④ 架空の条件を使って回答を作る
練習用として、次の条件を伝えます。
「この架空の会社では、図面がない場合でも初回相談を受け付けています。ただし、製作の可否や正式な見積もりには、必要な仕様を確認します」
続けて、
「この条件だけを基に、『図面がなくても相談できますか?』という質問への回答を作成してください。確認できていない条件を追加しないでください」
と依頼します。
ステップ⑤ 回答を分かりやすくする
「この回答を、初めて加工を依頼するお客様にも分かる文章にしてください。ただし、対応条件の意味を変更しないでください」
と依頼します。
ステップ⑥ ページ構成を考える
「このFAQをホームページへ掲載するために、質問の分類、見出し、回答の配置、関連ページへの案内方法を整理してください」
と質問します。
ステップ⑦ 公開前の確認項目を作る
「このFAQを公開する前に、回答の正確性、公開可能な情報、料金・納期の表現、内部リンク、スマートフォン表示についてチェックリストを作成してください」
と依頼します。
ステップ⑧ 改善方法を考える
最後に、
「FAQ公開後に、お客様が必要な情報を見つけられているか確認する方法を整理してください。問い合わせ件数の変化だけで効果を断定しないでください」
と質問します。
これで、質問の整理から回答の作成、公開前の確認、改善までの基本的な流れを学べます。
ソラ先生からひとこと
お客様向けFAQは、質問への答えを並べるだけのページではありません。
初めて会社を知った人が、サービスについて理解し、相談できるかどうかを考えるための情報です。
例えば、加工の知識がない人は、何を質問すればよいのか分からない場合があります。
そんなとき、FAQに必要な情報が分かりやすく書かれていれば、相談するための準備ができるかもしれません。
一方で、回答を短くしすぎたり、実際には保証できない条件を断定したりすると、誤解を招く可能性があります。
ChatGPTは、質問の整理や文章の作成、ページ構成の検討を手伝えます。
しかし、その会社が実際に何をできるのか、どんな条件で仕事を受けているのかは、正式な情報を確認する必要があります。
私は、お客様にとって役立つFAQとは、単に問い合わせを減らすためのものではないと思っています。
分からないことを分かりやすく伝える。
判断に必要な条件を説明する。
そして、答えが一つに決まらない場合には、何を確認すればよいのか案内する。
お客様向けFAQの目的は、問い合わせをさせることでも、問い合わせを減らすことでもありません。お客様が必要な情報を得て、安心して自分に合った行動を選べるようにすることです。
次回【第63回】は「ChatGPTで問い合わせフォームを改善する方法|入力項目・案内文・自動返信メールを分かりやすく設計しよう」です。
今度は、FAQを読んで相談したいと考えたお客様が、迷わず問い合わせできる仕組みを学びます。