ChatGPTソラ先生と学ぶ!中級者のためのAI実践講座【第77回】ChatGPTを使って仕事の依頼内容を明確にする方法|目的・成果物・期限・確認方法をそろえる実践講座
1.はじめに
皆さん、こんにちは。ソラ先生です。
前回は、新しい依頼や条件の変更があったときに、仕事の優先順位を見直す方法を学びました。
今回は、仕事を依頼する場面と、依頼を受ける場面を考えます。
「資料をまとめてほしいと頼んだが、想像していた内容と違った」
「急ぎと言われたものの、いつまでに必要か分からない」
「作業を終えた後で、追加の条件が出てきた」
こうした行き違いを減らすには、依頼した内容を、相手も同じように理解しているか確かめる必要があります。
ChatGPTを使って、目的、成果物、期限、確認方法を整理し、着手できる依頼へ整えましょう。
なお、この講座に登場する業務、日程、資料、会話は説明用です。実際の社内の出来事や成果を示すものではありません。
2.今回の到達目標
今回の目標は、依頼文を丁寧に書くことだけではありません。
依頼する側と受ける側が、何を、どこまで、いつまでに行うかを確認できる状態にすることです。
次の五つを目指します。
- 作業を頼む理由と、実現したい状態を明確にする。
- 成果物と完了条件を分けて整理する。
- 対象範囲、期限、必要資料を確認する。
- 不明点を、判断に影響する質問へ変える。
- 着手前の合意と、途中の変更を記録する。
ChatGPTには、情報の整理、不足項目の確認、依頼文や確認文の作成を手伝ってもらいます。
3.依頼文の長さより、必要な情報をそろえる
長く説明すれば、正確に伝わるとは限りません。
背景が詳しく書かれていても、何を提出すればよいか分からない依頼があります。
反対に、短い依頼でも、対象と完了条件が共有されていれば進められる場合があります。
重要なのは、相手が仕事を進めるために必要な情報があるかどうかです。
文章量を増やす前に、依頼の中身を整理しましょう。
4.目的と作業を分ける
例えば、
問い合わせの記録をまとめてください。
という依頼は、作業だけを示しています。
目的が分かれば、必要なまとめ方を考えやすくなります。
初回の相談で不足しやすい情報を確認したいので、問い合わせ記録を整理してください。
この場合、問い合わせの件数だけでなく、不足情報や追加確認の内容を見る必要があります。
ただし、目的が分かっても、成果物の形式や範囲まで決まったとは限りません。
5.使う人と使う場面を伝える
同じ資料でも、使う場面によって必要な内容は変わります。
例えば、
- 担当者が日常業務で使う。
- 打ち合わせで比較する。
- 管理者が対応方針を判断する。
- お客様へ説明する。
という違いです。
「誰が何を判断するためのものか」を伝えると、細かさや表現を合わせやすくなります。
対象者の知識が不明なら、その点も確認事項として残しましょう。
6.成果物を具体化する
成果物は、仕事の結果として渡すものです。
例えば、
- 管理番号付きの一覧表。
- 比較項目をそろえた資料。
- 修正箇所を示した原稿。
- 確認結果と未確認事項のメモ。
「いい感じに整理する」では、何を作るか分かりません。
成果物の種類、含める項目、提出する方法を、必要な範囲で決めます。
7.依頼の材料を整理するプロンプト例
次の依頼メモを、仕事を進めるための情報へ整理してください。
【依頼メモ】
[記入]次の項目に分けてください。
1.目的
2.使う人と使う場面
3.行う作業
4.成果物
5.対象範囲
6.期限
7.確認方法
8.不足している情報明記されていない内容は推測で埋めないでください。目的から考えられる提案は、確認済み情報と分けて示してください。
8.成果物と完了条件を分ける
「一覧表を作る」という成果物だけでは、完成の判断が曖昧な場合があります。
例えば、次の違いです。
【成果物】
問い合わせの整理表。
【完了条件】
指定期間の対象案件が含まれ、管理番号から元の記録を確認できる。不明な項目は未確認と表示されている。
見た目が整っていても、対象が抜けていれば完了とは言えません。
何を確認すれば受け取れる状態かを決めましょう。
9.対象範囲を明確にする
依頼には、どこまで行うかという境界が必要です。
例えば、
- 対象とする期間。
- 対象となる案件。
- 使用する資料。
- 含める作業。
- 今回は行わない作業。
を整理します。
「記録をまとめる」という依頼に、分析や改善提案まで含むかは、別に確認が必要です。
目的から想像して、作業を広げすぎないようにしましょう。
10.必須条件と希望を分ける
依頼する内容には、必ず満たす条件と、可能なら実現したい希望があります。
例えば、
| 区分 | 説明用の例 |
|---|---|
| 必須 | 指定期間の全対象案件を含める |
| 必須 | 元の記録へ戻れる番号を残す |
| 希望 | 一画面で全体を確認できる |
| 希望 | 分類別に並べ替えられる |
希望も大切ですが、両立しない場合に何を優先するかを確認します。
ChatGPTに依頼文を整えてもらう際も、希望を必須条件へ変えないよう伝えましょう。
11.期限の意味をそろえる
「金曜日まで」という言葉でも、解釈が分かれる場合があります。
- 金曜日の打ち合わせ前に必要。
- 金曜日中に提出すればよい。
- 金曜日に完成版が必要。
- 金曜日には初稿があればよい。
日時だけでなく、どの段階の成果物が必要かを確認します。
期限が未定なら、勝手に設定せず、必要な時期と作業量を確認して決めましょう。
12.初稿と完成版を区別する
初稿を提出する日と、修正を終える日は異なります。
例えば、
- 構成案を確認する。
- 初稿を作る。
- 内容を照合する。
- 修正する。
- 完成版を渡す。
という流れです。
完成版の期限だけを伝えると、確認と修正の時間が不足する場合があります。
確認が必要な仕事では、途中で何を見てもらうかも決めましょう。
13.必要資料と前提条件を確認する
作業に必要な資料がそろっているかを確認します。
例えば、
- 正式に使うデータ。
- 現在の様式。
- 判断の根拠となる資料。
- 閲覧や編集の権限。
- 対象者への確認結果。
古い版や参考資料を、正式な情報と混ぜないようにします。
資料が不足している場合は、どの作業を始められ、どこから先は確認待ちになるかを整理しましょう。
14.作業方法の自由度を伝える
成果物が決まっていても、方法に制約がある場合があります。
例えば、
- 指定の様式を使う。
- 項目名を変えない。
- 元データを直接編集しない。
- 特定の確認を通す。
一方、方法を任せる場合は、どこまで判断してよいかを共有します。
細かな操作まで決める必要がない仕事では、目的と必須条件を伝え、方法は担当者と相談できます。
15.不足情報を質問へ変えるプロンプト例
次の依頼について、着手前に確認する質問を作ってください。
【依頼内容】
[記入]質問を、次の三つに分けてください。
1.回答がなければ着手できないこと
2.作業範囲や期限に影響すること
3.着手後でも確認できること各質問に、何の判断に必要かを添えてください。すでに依頼文に答えがある質問は繰り返さず、重要なものへ絞ってください。
確認事項を大量に並べるより、仕事への影響が分かる質問にします。
16.説明用の実務例:問い合わせ資料の作成依頼
ここでは、次の依頼を受けた場面を考えます。
来週の打ち合わせで使うので、最近の問い合わせを分かりやすくまとめてください。
この依頼には、確認したい点があります。
- 「最近」は、どの期間か。
- 打ち合わせで何を判断したいか。
- どの問い合わせを対象にするか。
- 一覧だけか、分析も含むか。
- いつまでに確認用の資料が必要か。
文章をそのまま整える前に、仕事の条件を確認します。
17.例で先に聞く質問を絞る
この例では、最初に次のように聞けます。
打ち合わせで確認したいのは、問い合わせの件数と内訳でしょうか。それとも、不足情報や対応上の課題でしょうか。
あわせて、対象期間と、確認用の資料が必要な日時を教えてください。
目的、範囲、期限が分かれば、まとめ方を提案できます。
表の色や文字の大きさなどは、必要な内容を決めた後で調整できる場合があります。
18.確認後の依頼内容を整理する
説明用の仮定として、条件を確認できた場合は、次のようにまとめられます。
| 項目 | 確認した内容の例 |
|---|---|
| 目的 | 初回相談で不足しやすい情報を確認する |
| 対象 | 指定した期間の問い合わせ案件 |
| 成果物 | 管理番号付きの一覧と、主な不足情報の整理 |
| 必須条件 | 元の記録をたどれること |
| 対象外 | 新しいサービス案の作成 |
| 期限 | 打ち合わせ前に確認と修正ができる日時 |
| 未確認 | 分類方法と、確認を担当する人 |
未確認項目は、確定した内容と分けて残します。
19.依頼を受ける側から理解を返す
確認した内容は、自分の理解として短く返す方法があります。
例えば、
今回は、指定期間の問い合わせから、初回相談で不足していた情報を整理する依頼と理解しています。管理番号付きの一覧と、主な傾向のメモを作成します。新しいサービスの提案は、今回の対象に含めません。
相手が修正できる形で返すことが大切です。
返答がない項目まで、合意済みとして扱わないようにしましょう。
20.依頼文を作るプロンプト例
以下の確認済み情報から、仕事の依頼文を作ってください。
【目的】
[記入]【成果物と完了条件】
[記入]【対象範囲・対象外】
[記入]【資料・必須条件】
[記入]【期限と途中確認】
[記入]目的、依頼する作業、成果物、条件、期限、確認方法の順で、簡潔にまとめてください。
未定の担当者や期限を追加せず、不足情報は本文とは別に示してください。希望を必須条件へ変えないでください。
21.受けられる条件を確認する
依頼内容が明確でも、現在の予定で対応できるとは限りません。
次を確認します。
- 必要な作業時間。
- すでにある仕事との重なり。
- 資料がそろう時期。
- 確認者の予定。
- 必要な技術や権限。
条件が合わない場合は、受けるか断るかだけでなく、範囲や期限の調整案も考えます。
対応できる見込みを確認する前に、完了を約束しないことが大切です。
22.途中確認は、手戻りに関わる場所へ置く
すべての作業を細かく確認すると、やり取りの負担が増えます。
途中確認は、認識の違いが後で大きな手戻りになる場所に置きます。
例えば、
- 分類の方針。
- 資料の構成。
- 一部の作成例。
- 判断が必要な未確認事項。
最初に数件を整理して見てもらえば、全件を作成した後の修正を避けられる場合があります。
確認する範囲は、仕事の規模に合わせて決めましょう。
23.曖昧な指示を、確認できる内容へ直す
依頼には、解釈が分かれやすい言葉があります。
| 曖昧な表現 | 確認する内容 |
|---|---|
| 分かりやすく | 誰が、何を判断するためか |
| 急ぎで | いつ、どの段階まで必要か |
| きれいに | 形式、項目、見せ方の条件 |
| いつものように | 参照する資料や過去の例 |
| 適当にまとめて | 任せる範囲と守る条件 |
言葉そのものを禁止する必要はありません。
共有されている前提があるかを確かめ、不足する部分を補います。
24.依頼を点検するプロンプト例
次の依頼文を、受ける側が着手できるかという観点で点検してください。
【依頼文】
[記入]次を確認してください。
1.目的が分かるか
2.成果物と完了条件が明確か
3.対象範囲が分かるか
4.期限の段階と意味が明確か
5.必要資料が示されているか
6.判断を任せる範囲が分かるか
7.途中確認と提出後の扱いが分かるか不足する情報と、確認しなくても進められる表現上の改善を分けてください。依頼の範囲を勝手に広げないでください。
25.追加依頼は影響を確認する
着手後に、対象や成果物が増えることがあります。
例えば、
一覧に加えて、改善案も付けてください。
という追加です。
その場合は、次を確認します。
- 何を追加するか。
- 元の作業との関係。
- 必要な時間や資料。
- 当初の期限への影響。
- どちらを優先するか。
追加内容を受けたことと、元の期限のまま対応できることを分けて伝えましょう。
26.変更前後を記録する
依頼内容を変更した場合は、元の条件と変更後の条件を残します。
例えば、
【当初】
問い合わせの整理表を作成する。【変更】
整理表に加え、追加確認が多かった項目をまとめる。【影響】
分類と照合の作業が増える。【確認すること】
追加部分の提出時期。
変更した理由と、合意できた範囲が分かる形にします。
27.提出時に残った事項を伝える
成果物を渡す際は、必要に応じて次を添えます。
- 完了した範囲。
- 確認した内容。
- 未確認の項目。
- 依頼から変更した点。
- 相手に見てほしい箇所。
未確認事項を残した資料なら、その状態を明示します。
提出しただけで内容が了承されたとは限りません。受領、内容確認、完了の扱いを、仕事に応じて区別しましょう。
28.提出文を作るプロンプト例
次の成果物の状況から、提出時の連絡文を作ってください。
【依頼された内容】
[記入]【完了した内容】
[記入]【未確認・残っている事項】
[記入]【相手に確認してほしいこと】
[記入]完了範囲、残る事項、確認のお願いの順でまとめてください。
未完了の内容を完了扱いにせず、相手の了承や確認結果を追加しないでください。
29.実践演習:10ステップで依頼内容をそろえる
依頼する予定の仕事、または受けた依頼を一つ選び、次の順で取り組みましょう。
- 目的を書く。
何のために必要な仕事かを確認します。 - 使う場面を書く。
誰が何を判断するために使うかを整理します。 - 成果物を書く。
何を作り、何を渡すかを明確にします。 - 完了条件を決める。
どの状態なら受け取れるかを確認します。 - 対象範囲を決める。
含めることと対象外を分けます。 - 期限と段階を確認する。
初稿、確認用、完成版を区別します。 - 資料と制約を確認する。
不足情報、権限、使える時間を整理します。 - 理解を返して確認する。
合意したことと未回答を分けます。 - 途中確認と変更方法を決める。
何を見てもらい、追加があればどう扱うかを確認します。 - 依頼文または確認文へまとめる。
ChatGPTで整え、元の情報と照合します。
30.着手前のチェックリスト
- □ 仕事の目的が分かるか。
- □ 使う人と使う場面が明確か。
- □ 成果物が具体的か。
- □ 完了条件を確認できるか。
- □ 対象範囲と対象外を分けたか。
- □ 必須条件と希望を区別したか。
- □ 期限が、どの段階を指すか分かるか。
- □ 必要資料と権限がそろっているか。
- □ 現在の予定で対応できるか確認したか。
- □ 不明点と途中確認の方法が整理されているか。
小さな依頼なら、短い確認で十分な場合もあります。仕事への影響に合わせて使いましょう。
31.よくある失敗と直し方
失敗①:依頼文を丁寧にすれば伝わると考える。
目的、成果物、期限など、仕事の条件がそろっているかを確認します。
失敗②:目的から作業範囲を勝手に広げる。
必要と考えた追加作業は、提案として分け、依頼者へ確認します。
失敗③:「いつもの資料」を別の資料だと理解する。
参照するファイル名や作成例を確認します。古い条件まで引き継がないようにしましょう。
失敗④:初稿の提出を、仕事全体の完了と考える。
確認、修正、完成版の提出まで含むかを確認します。
失敗⑤:質問を多くしすぎ、着手が止まる。
着手できない事項、範囲や期限に影響する事項、後から確認できる事項へ分けます。
失敗⑥:追加依頼を、元の条件のまま受け続ける。
作業量と期限への影響を整理し、優先する範囲を相談します。
32.今回の要点
今回の要点は、次の五つです。
- 作業の内容だけでなく、目的と使う場面を伝える。
- 成果物と完了条件を分けて確認する。
- 範囲、期限、資料、判断の自由度をそろえる。
- 不明点は、仕事への影響が分かる質問にする。
- 合意した内容と変更を残し、提出時にも状態を伝える。
依頼の明確さは、一方が詳しく書くだけでは決まりません。受ける側の理解を確かめることも大切です。
33.仕事で使える基本プロンプト
今回の内容をまとめた基本プロンプトです。
あなたは、仕事の依頼内容を明確にする相談相手です。
【依頼する側・受ける側のどちらか】
[記入]【依頼の原文またはメモ】
[記入]【目的と使う場面】
[分かる範囲で記入]【成果物と完了条件】
[記入]【対象範囲・対象外】
[記入]【期限・途中確認】
[記入]【資料・制約・使える時間】
[記入]次の順で整理してください。
1.確認済みの依頼内容
2.意味が曖昧な表現
3.着手前に必要な確認
4.範囲や期限に影響する確認
5.着手後でも確認できること
6.成果物と完了条件の整理案
7.依頼文、または理解を返す確認文
8.途中確認で見る項目
9.追加や変更があった場合に確認すること
10.提出時に伝える内容元の情報にない期限、担当者、承認手順、成果物を決定事項として追加しないでください。合意済み、希望、提案、未確認を区別してください。目的から考えられる追加作業は、依頼の範囲へ自動的に含めず、提案として示してください。
34.まとめと次回予告
仕事の依頼では、言葉が伝わることと、同じ完成状態を思い描けることは別です。
何のために行い、何を渡し、どこまで終えればよいのか。必要な条件を確認することで、着手後の行き違いを減らしやすくなります。
ChatGPTには、依頼の整理、不足情報の確認、質問の優先付け、依頼文や確認文の作成を手伝ってもらいましょう。
今回の実践では、一つの依頼について、「目的」「成果物」「完了条件」「期限」を書いてみてください。
次回【第78回】は、「ChatGPTを使って打ち合わせの論点を整理する方法|決めること・確認すること・持ち帰る課題を明確にする実践講座」を予定しています。
打ち合わせ前の準備から、決定事項と未解決事項の整理まで、話し合いを次の行動へつなげる方法を学びます。
それでは、また次回。ソラ先生でした。