東大阪の研究開発現場から生産現場までの「ものづくり」なら【株式会社アリス】試作サンプル、切削加工、精密部品加工、可視化部品製作、透明化処理、現物からの製作、単品OK

  • トップ
  • ニュース
  • ChatGPTソラ先生と学ぶ!中級者のためのAI実践講座【第61回】ChatGPTで業務上の判断を整理する方法|選択肢・判断基準・リスクを比較する実践講座

ChatGPTソラ先生と学ぶ!中級者のためのAI実践講座【第61回】ChatGPTで業務上の判断を整理する方法|選択肢・判断基準・リスクを比較する実践講座

2025.08.08

こんにちは、ソラ先生です。

前回は、社内に蓄積された知識や経験を整理し、必要なときに探せるようにする「社内ナレッジベース」の考え方を学びました。

過去の事例や技術資料は、次の仕事を考えるための大切な材料になります。

しかし、資料が見つかったとしても、すぐに答えが決まるとは限りません。

今回の仕事には、今回の条件があるからです。

今回は、集めた情報を使って、複数の選択肢を比較し、判断する方法を考えていきましょう。

テーマは、業務上の判断の整理です。

皆さんは、こんな経験はありませんか?

「いくつか方法があるけれど、何を基準に選べばよいか分からない」

「価格を優先すると納期に不安があり、納期を優先すると費用が高くなる」

「経験のある方法を使いたいけれど、今回の条件にも合っているか迷う」

「会議で意見は出たけれど、何を確認すれば決められるのか整理できていない」

「判断した後に、別の条件を見落としていたことに気づいた」

仕事では、いつも一つの正解が用意されているわけではありません。

限られた情報の中で、目的を確認し、条件を整理し、複数の方法を比較しながら判断する必要があります。

ChatGPTは、選択肢を洗い出し、比較項目を整理し、見落としている条件や追加で確認すべきことを考える相手になります。

今回は、**「判断する目的を明確にする → 情報を集める → 選択肢を作る → 比較する → 不明点を確認する → 判断する → 結果を振り返る」**という流れを学びましょう。

1.仕事の判断は、どこから始まる?

例えば、お客様から樹脂部品の製作相談を受けたとします。

図面はありますが、希望する納期まであまり時間がありません。

そこで、二つの方法を考えました。

一つは、自社で加工する方法。

もう一つは、協力会社へ一部の加工を依頼する方法です。

どちらを選べばよいでしょうか。

ここで、すぐに「自社で加工する」「協力会社へ依頼する」と決める前に、何を実現したいのか確認します。

例えば、

必要な品質を満たす。

お客様が必要とする時期に納品する。

製作費用を把握する。

途中で問題が発生した場合に対応できるようにする。

こうしたことです。

判断は、選択肢を並べる前に、目的を理解することから始まります。

何を選ぶかを考える前に、何を実現したいのかを明確にしましょう。

実践プロンプト①

「樹脂部品の製作について、自社加工と協力会社への依頼を比較したいです。最初に判断の目的を整理し、品質、納期、費用、対応できる範囲について確認すべきことを挙げてください。情報が足りない部分は質問してください」

2.目的と手段を分けて考える

仕事では、目的と手段が混ざることがあります。

例えば、

「自社で加工する」

という言葉は、目的でしょうか。

それとも手段でしょうか。

これは、仕事を進めるための一つの手段です。

目的は、例えば、

「お客様が必要とする品質の部品を、必要な時期に届ける」

ということです。

自社加工は、その目的を実現する方法の一つです。

協力会社へ依頼することも、別の方法になるかもしれません。

目的と手段を分けると、最初に思いついた方法だけにとらわれず、ほかの選択肢も考えやすくなります。

ただし、会社によっては、技術の蓄積や設備の活用も重要な目的になります。

そのため、何を実現したいのかは、実際の仕事に合わせて確認する必要があります。

3.今回、何を決めるのかを明確にする

判断を整理するときは、決める内容も具体的にします。

例えば、

「この仕事をどうするか」

では、対象が広すぎるかもしれません。

仕事の進め方には、材料、加工方法、担当者、納期、検査方法など、さまざまな判断が含まれるからです。

そこで、

「試作品の加工を、自社で行うか、協力会社へ依頼するか」

というように、今回決める内容を絞ります。

さらに、

「いつまでに決める必要があるか」

も確認します。

判断の期限が分かれば、どこまで調査や試験に時間を使えるか考えられます。

実践プロンプト②

「次の相談内容から、今回決めること、まだ決めなくてよいこと、判断期限を整理してください。決める内容が広すぎる場合は、判断を分けて提案してください」

4.判断に必要な情報を集める

選択肢を比較する前に、必要な情報を集めます。

例えば、自社加工と協力会社への依頼を比較する場合です。

次のような情報が必要かもしれません。

製品の数量。

必要な品質。

お客様が希望する納期。

自社設備の稼働状況。

協力会社が対応できる加工範囲。

材料の入手時期。

加工後に必要な検査。

輸送や打ち合わせに必要な時間。

見積金額。

ここで注意したいのは、情報がすべてそろっていると思い込まないことです。

例えば、「協力会社の納期は短いだろう」と考えていても、まだ先方へ確認していなければ、それは事実ではありません。

そこで、情報を次のように分けます。

確認できたこと

実際の資料や担当者への確認によって分かっていること。

確認できていないこと

判断に必要だが、まだ調べていないこと。

仮に置いている条件

検討を始めるために、一時的に設定したこと。

この三つを分けるだけでも、判断の精度を上げやすくなります。

5.事実と予想を混同しない

例えば、次のような会話があったとします。

「協力会社なら、今週中に対応できると思います」

この言葉は、確認できた事実でしょうか。

それとも予想でしょうか。

まだ協力会社へ確認していなければ、予想です。

一方、

「協力会社に確認したところ、現時点では来週火曜日に着手できるとの回答だった」

という内容は、確認した事実として記録できます。

ただし、その回答も、後から状況が変わる可能性があります。

そのため、確認した日付や条件も残します。

情報状態次にすること
自社設備の空き確認済み現在の予定を維持できるか確認
協力会社の着手日未確認担当者へ問い合わせる
材料の入手時期仮の予定発注前に再確認する
お客様の希望納期確認済み分納の可否も確認する

確認済みの情報と、予想や仮定を分けることが、判断の出発点になります。

実践プロンプト③

「次の情報を、確認済みの事実、予想、仮定、未確認事項に分けてください。どの判断に影響するかも整理し、事実として確認が必要な項目を示してください」

6.選択肢は、最初に思いついた二つだけ?

自社で加工するか、協力会社へ依頼するか。

この二つを考えたとします。

しかし、ほかの方法はないでしょうか。

例えば、

一部の工程だけを協力会社へ依頼する。

試作だけを先に行う。

お客様へ分納を相談する。

加工方法を変更できるか検討する。

数量や優先順位を確認する。

こうした方法も考えられます。

もちろん、すべての方法が実行できるとは限りません。

例えば、図面や契約上の条件によって、変更できない場合もあります。

しかし、最初から「自社か外注か」という二択に限定すると、実現可能な方法を見落とすことがあります。

ChatGPTには、条件を伝えたうえで、別の選択肢がないか考えてもらえます。

実践プロンプト④

「樹脂部品の製作について、自社加工と協力会社への依頼を考えています。ほかに検討できる選択肢を挙げてください。工程の分担、試作、分納、条件の確認なども含め、実行前に確認が必要なことを示してください」

7.実現できない選択肢も、早めに確認する

選択肢を広げた後は、実行できるかを確認します。

例えば、分納という方法を考えたとします。

しかし、お客様が全数を同時に必要としている場合、分納は使えません。

また、協力会社へ工程を依頼する方法を考えても、その加工に必要な設備や対応範囲がなければ実行できません。

そこで、各選択肢について、

必要な設備があるか。

必要な技術や人員があるか。

お客様の条件に合うか。

必要な時期に対応できるか。

費用の見通しが立つか。

関係者の確認が必要か。

を確認します。

実行できない理由が明確であれば、その選択肢を早めに外せます。

ただし、現時点で分からないだけの場合は、「実行できない」と決めつけず、「要確認」として残します。

8.比較するための基準を決める

選択肢を比べるには、比較する基準が必要です。

例えば、次のような項目です。

品質。

納期。

費用。

対応できる数量。

途中変更への対応。

必要な打ち合わせ。

技術的な不確実性。

問題発生時の対応。

これらを、今回の仕事に合わせて整理します。

ただし、すべての基準を同じように扱えばよいとは限りません。

例えば、納期が重要な案件でも、必要な品質を満たせない方法は選べないでしょう。

そこで、次の二つを分けます。

必ず満たす必要がある条件

製品の要求、契約上の条件、守る必要がある納期など。

比較して選ぶ条件

費用、作業の進めやすさ、将来への活用など。

まず必要条件を満たす選択肢を確認し、その中で比較します。

実践プロンプト⑤

「複数の加工方法を比較するための判断基準を整理してください。必ず満たす必要がある条件と、選択肢を比較するための条件を分け、まだ基準が決まっていない項目は質問してください」

9.価格が安いだけで、最適とは限らない

例えば、二つの方法を比較したとします。

項目方法A方法B
見積金額安い高い
納期要確認希望納期に対応予定
過去の実績少ない類似案件の経験あり
途中変更対応範囲を確認中担当者と相談可能
品質確認方法を確認中確認方法を提示済み

方法Aは、見積金額が安いという特徴があります。

しかし、納期や品質確認の方法が分からない状態です。

方法Bは、費用が高くなりますが、現時点では確認できている情報が多くあります。

この段階で、どちらがよいと断定することはできません。

まず、方法Aの未確認事項を調べる必要があります。

また、方法Bについても、提示された内容が今回の要求に合っているか確認します。

比較表は、すぐに答えを出すためだけでなく、何が不足しているかを見つけるためにも使えます。

10.「分からない」を表に残す

比較表を作るとき、すべての欄を埋めたくなるかもしれません。

しかし、確認していない情報を予想で埋めると、表全体が正確に見えてしまいます。

例えば、納期が未確認なのに、「約一週間」と記載した場合です。

その数字が、確認された回答なのか、社内の予想なのか分からなければ、誤った判断につながる可能性があります。

そこで、分からないことは、

「未確認」

「回答待ち」

「仮定」

「資料不足」

などと記載します。

さらに、

誰に確認するか。

いつまでに確認するか。

回答によって何が変わるか。

も整理すると、次の行動につながります。

実践プロンプト⑥

「次の比較表について、確認済みの情報と未確認の情報を分けてください。未確認の欄を推測で埋めず、確認先、確認期限、回答が判断に与える影響を整理してください」

11.数字にできることと、できないこと

判断を比較するとき、数字は役立ちます。

例えば、

費用。

必要な日数。

製作数量。

設備の稼働時間。

こうしたものです。

一方、すべてを簡単に数字へ置き換えられるとは限りません。

例えば、

担当者同士の連携のしやすさ。

問題が起きたときの相談のしやすさ。

今回の仕事を通じて得られる経験。

技術的な不安の大きさ。

こうしたことです。

数字にしにくいからといって、比較から外してよいとは限りません。

そこで、数値で確認できる項目と、文章で説明する項目を組み合わせます。

例えば、「相談しやすい」という印象だけでなく、

「加工途中で条件変更が必要になった場合、担当者同士が直接確認できる」

というように、具体的な内容を記載します。

12.点数を付ければ、正しい判断になる?

選択肢を比較するとき、項目ごとに点数を付ける方法があります。

例えば、納期、費用、対応力をそれぞれ評価し、合計点を比べる方法です。

この方法は、何を重視したか見えるようにするためには役立ちます。

しかし、点数を付ければ自動的に正しい答えが出るわけではありません。

例えば、納期が未確認なのに高い点数を付けてしまうと、合計点も実態を反映しません。

また、必要な品質を満たせない選択肢が、費用の安さによって高得点になる場合もあります。

そのため、まず必ず満たす条件を確認します。

そのうえで、点数を使う場合は、

何を基準に点数を付けたか。

どの情報が確認済みか。

どの項目を重視したか。

点数にできなかった懸念は何か。

を残します。

点数は判断を助ける道具であり、判断そのものを代わりに行うものではありません。

13.重視する項目が変わると、結果も変わる

例えば、二つの加工方法を比較します。

方法Aは、費用を抑えやすい方法です。

方法Bは、準備にかかる時間を短くできる可能性があります。

この場合、費用を重視すれば方法Aが候補になります。

一方、納期を重視すれば方法Bが候補になるかもしれません。

つまり、どの選択肢がよいかは、何を重視するかによって変わります。

そこで、複数の条件で考えてみます。

費用を優先する場合

どの方法が候補になるか。

納期を優先する場合

どの方法が候補になるか。

変更への対応を優先する場合

どの方法が候補になるか。

このように比較すると、判断の前提が見えやすくなります。

実践プロンプト⑦

「次の三つの選択肢について、費用を重視する場合、納期を重視する場合、変更への対応を重視する場合に分けて比較してください。判断結果が変わる理由と、各場合の未確認事項も示してください」

14.リスクは「悪いことが起きる」だけではない

判断するときは、リスクも考えます。

例えば、協力会社へ加工を依頼した場合です。

想定していた時期に加工を始められないかもしれません。

加工途中で、図面について確認が必要になるかもしれません。

完成品の受け取り後に、追加の検査が必要になるかもしれません。

ここで大切なのは、単に「リスクがある」と書いて終わらせないことです。

何が起きる可能性があるのか。

起きた場合、何に影響するのか。

事前に何を確認できるのか。

起きたとき、どう対応するのか。

を考えます。

例えば、

想定すること影響事前の確認起きた場合の対応
加工開始が遅れる納期に影響する着手予定を確認する進捗を共有し、対応を相談する
図面の確認が必要になる作業が止まる不明点を事前に洗い出す担当者間で確認する
検査に時間がかかる出荷が遅れる検査項目を事前に確認する検査予定を調整する

このように整理すれば、心配を具体的な確認行動へ変えることができます。

実践プロンプト⑧

「次の業務上の選択肢について、想定される問題、影響、事前に確認できること、問題が起きた場合の対応を整理してください。根拠のない確率や数値は作らないでください」

15.悪い結果だけでなく、機会も考える

リスクを考えるとき、問題が起きる可能性だけに注目することがあります。

しかし、選択によって得られる機会もあります。

例えば、自社で新しい加工に挑戦する場合です。

準備や試験に時間がかかる可能性があります。

一方で、新しい技術や経験が社内に残るかもしれません。

協力会社へ依頼する場合には、外部の知識や設備を活用できる可能性があります。

また、仕事を一緒に進めることで、今後の協力関係が広がるかもしれません。

ただし、これらも実際に得られると決まっているわけではありません。

そこで、

期待できること。

実現に必要な条件。

確認できていないこと。

を分けて考えます。

判断では、避けたい問題と、得たい成果の両方を見ることが大切です。

16.過去の事例は、どう使う?

前回学んだ社内ナレッジベースに、似た案件が記録されていたとします。

過去の事例には、

どの材料を使ったか。

どの方法を検討したか。

どのような問題が起きたか。

どの条件で結果を確認したか。

なぜその方法を選んだか。

が残っています。

これらは、今回の選択肢や確認項目を考えるうえで役立ちます。

しかし、過去と今回の条件が同じとは限りません。

例えば、

製品の形状。

数量。

材料のグレード。

要求される精度。

納期。

使用する設備。

が異なる場合があります。

そこで、過去の事例を見つけたら、まず今回との共通点と相違点を整理します。

実践プロンプト⑨

「次の過去事例と今回の案件を比較してください。材料、形状、数量、品質要求、納期、設備の共通点と相違点を整理し、過去の判断をそのまま適用する前に確認すべきことを示してください」

17.複数の人の意見を、どう整理する?

仕事の判断には、複数の担当者が関わることがあります。

例えば、

営業担当者は、お客様の希望納期を重視しています。

製造担当者は、設備の空き状況を気にしています。

品質担当者は、検査方法を事前に確認したいと考えています。

管理者は、費用と全体の予定を確認したいと考えています。

意見が異なると、話が進まないように感じるかもしれません。

しかし、それぞれが見ている条件を整理すると、判断に必要な情報が増えます。

そこで、

誰が何を気にしているか。

その理由は何か。

確認できていることは何か。

意見が食い違っている部分はどこか。

追加で確認すれば解消できることは何か。

を整理します。

意見の違いを、単なる賛成・反対として扱わず、背景にある条件を理解することが大切です。

実践プロンプト⑩

「次の会議メモから、各担当者の意見、重視している条件、確認済みの事実、意見が分かれている点、追加で確認すべきことを整理してください。発言していない理由は推測しないでください」

18.意見が対立したとき、何を確認する?

例えば、営業担当者は「協力会社へ依頼したい」と考えています。

一方、製造担当者は「自社で対応したい」と考えています。

この場合、どちらかの意見をすぐに採用する前に、理由を聞きます。

営業担当者は、納期への対応を心配しているかもしれません。

製造担当者は、自社で加工した方が途中の調整をしやすいと考えているかもしれません。

もしそうであれば、検討すべきことは、

「自社で納期に対応できるか」

「協力会社へ依頼した場合、途中の調整をどう行うか」

です。

つまり、対立しているように見える意見を、確認できる課題へ変えます。

その結果、工程の一部だけを協力会社へ依頼するという方法が見つかるかもしれません。

大切なのは、意見の勝ち負けを決めることではなく、仕事の目的に合う方法を探すことです。

19.ChatGPTとの対話で判断を整理する

ここで、ChatGPTとの対話例を見てみましょう。

利用者

「樹脂部品の加工を、自社で行うか協力会社へ依頼するか迷っています。お客様の希望納期は三週間後です。自社設備の予定は確認済みですが、協力会社の着手日はまだ確認していません。比較するために必要なことを整理してください」

ChatGPTの回答例

「まず、品質、納期、費用、設備の対応範囲、検査方法を比較します。協力会社の着手日は未確認のため、確認が必要です。また、自社設備の予定についても、今回の製品に必要な加工時間が収まるか確認してください」

ここで、利用者は追加で伝えます。

利用者

「今回の製品は、途中でお客様へ試作品を確認してもらう必要があります。その条件も加えてください」

ChatGPTの回答例

「試作品の確認時期、修正が必要になった場合の対応、確認後に残る製作期間を比較項目へ追加します。協力会社へ依頼する場合は、試作品の受け渡しと変更連絡の方法も確認してください」

このように、一度の質問で答えを求めるのではなく、条件を追加しながら判断材料を整えていきます。

20.ChatGPTに「決めて」と頼む前に

例えば、

「自社加工と外注のどちらがよいですか?」

と質問すると、ChatGPTは一つの方法を提案するかもしれません。

しかし、必要な条件が不足していれば、その提案は限られた情報に基づくものです。

そこで、最初から結論だけを求めるのではなく、次のように質問します。

「判断するために足りない情報は何ですか?」

「どの条件によって選択肢が変わりますか?」

「見落としやすい確認事項はありますか?」

「それぞれの方法が適している場合を整理してください」

このような質問をすると、判断の中身を検討しやすくなります。

AIは、考えるための材料を整理できます。

しかし、実際の契約や品質、納期、社内の事情を踏まえ、最終的に判断するのは仕事を進める人です。

実践プロンプト⑪

「この案件について、今すぐ一つの結論を出すのではなく、判断に必要な情報、選択肢、比較基準、未確認事項を整理してください。条件によって結論が変わる場合は、その理由も説明してください」

21.判断に必要な情報は、どこまで集める?

情報を集めることは大切です。

一方で、すべての不確実性がなくなるまで待っていると、判断期限に間に合わないこともあります。

そこで、

必ず確認しなければならないこと。

判断に影響するため、できるだけ確認したいこと。

現時点では確認できないこと。

を分けます。

例えば、お客様が要求する品質や納期は、判断に欠かせない情報です。

一方、将来の仕事で今回の経験をどの程度活用できるかは、現時点では正確に分からないかもしれません。

その場合は、分からないことを分からないまま記録し、確認できた条件の範囲で判断します。

大切なのは、情報不足を隠して決めることではなく、何が分かっていて、何が残っているかを共有することです。

22.小さく試してから判断する

複数の方法を比較しても、実際に試してみなければ分からないことがあります。

例えば、ある材料の加工方法を検討している場合です。

過去の資料を調べても、今回の形状に近い事例がないかもしれません。

そこで、可能であれば、小さな試験や試作を行う方法があります。

例えば、

小さな材料で加工を試す。

重要な形状だけを試作する。

複数の条件で加工し、結果を比較する。

測定方法を先に確認する。

試作結果をお客様と確認する。

こうした方法です。

ただし、試験には時間や費用が必要です。

また、試験片で得られた結果が、実際の製品でも同じになるとは限りません。

そのため、

何を確かめる試験なのか。

どの条件で試すのか。

何を測定するのか。

どの結果なら次へ進むのか。

試験では分からないことは何か。

を決めてから行います。

実践プロンプト⑫

「二つの加工方法を比較するため、小規模な試験を考えています。試験の目的、条件、測定項目、判断基準、必要な記録、試験だけでは確認できないことを整理してください。具体的な条件が不足している場合は質問してください」

23.試験結果が予想と違ったら?

例えば、方法Aの方が良い結果になると予想していたとします。

しかし、実際に試したところ、方法Bの方が安定していました。

このとき、最初の予想に合わせるために、都合のよい結果だけを採用してはいけません。

まず、何を確認したのか振り返ります。

試験条件は予定どおりだったか。

測定方法は同じだったか。

材料や形状に違いはなかったか。

測定回数は十分だったか。

予想と異なる理由として、何が考えられるか。

追加で確認する必要はあるか。

このように整理します。

試験結果が予想と違うことは、判断を見直すための大切な情報です。

ChatGPTには、予想と結果の違いを整理し、次に確認する項目を考えてもらえます。

24.判断した理由を残す

判断を終えたら、何を選んだかだけでなく、理由も記録します。

例えば、

「方法Bを採用した」

だけでは、後から判断の背景が分かりません。

そこで、

今回の目的。

比較した選択肢。

必ず満たす必要があった条件。

重視した判断基準。

確認した情報。

残っていた不明点。

選択した理由。

実施後に確認すること。

を残します。

例えば、次のような記録です。

「試作品を早い段階で確認する必要があったため、確認までの工程を調整しやすい方法Bを選択した」

「協力会社の対応範囲と予定は確認済み」

「最終的な加工時間は、試作後に再確認する」

こうした記録があれば、関係者へ判断の背景を伝えやすくなります。

また、後から結果を振り返るときにも役立ちます。

実践プロンプト⑬

「次の業務判断について、目的、選択肢、比較基準、確認済みの情報、未確認事項、選択理由、実施後の確認項目を整理してください。記録にない理由は推測しないでください」

25.判断した後も、確認を続ける

判断は、選んだ時点で終わりではありません。

例えば、協力会社へ加工を依頼すると決めた場合です。

その後、

予定どおりに着手できたか。

必要な材料が入手できたか。

加工途中で不明点が出ていないか。

試作品の確認は予定どおり進んだか。

お客様の要求に変更はないか。

を確認する必要があります。

状況が変われば、当初の判断を見直す場合もあります。

ただし、変更のたびにすべてを最初から考え直す必要はありません。

何が変わり、その変更がどの判断に影響するかを確認します。

例えば、材料の入手が遅れる場合は、納期や加工開始日への影響を確認します。

このように、判断と実行をつなげて管理します。

26.結果が悪かったら、判断も間違いだった?

判断を振り返るとき、結果だけで評価することがあります。

例えば、十分に調べて選んだ方法でも、予想していなかった問題が起きることはあります。

一方、十分に確認せずに進めた仕事が、たまたま問題なく終わることもあります。

そこで、結果と判断の過程を分けて確認します。

結果

予定どおりに進んだか。

必要な品質を満たしたか。

費用や納期はどうだったか。

判断の過程

必要な情報を確認したか。

選択肢を比較したか。

不明点を認識していたか。

関係者と条件を共有したか。

このように振り返れば、結果が良かった場合も悪かった場合も、次に活かせることを見つけやすくなります。

実践プロンプト⑭

「次の案件について、実施結果と判断の過程を分けて振り返ってください。確認できたこと、想定と違ったこと、判断時に不足していた情報、次回改善できることを整理してください」

27.判断の振り返りを次の仕事へつなげる

例えば、納期を重視して協力会社へ依頼した結果、予定どおりに納品できたとします。

しかし、途中の仕様確認に時間がかかりました。

この場合、単に「納期どおりに終わった」で記録を終えるよりも、

どの確認に時間がかかったか。

事前に共有できた情報はなかったか。

誰が、どの順番で確認したか。

次回は何を先に決めるか。

を残すことで、次の仕事へ活かせます。

一方、予定どおりに進んだ部分も記録します。

例えば、加工開始前に図面の不明点を確認したことで、途中の手戻りを減らせたかもしれません。

うまくいった理由と、改善できる部分の両方を見ることが大切です。

こうして整理した内容は、前回学んだ社内ナレッジベースへ登録することもできます。

28.同じ判断を繰り返すなら、基準を整理する

仕事の中には、何度も似た判断が発生するものがあります。

例えば、

製作前に試作が必要か。

材料の在庫を確認するか。

協力会社へ相談するか。

見積前にお客様へ追加質問するか。

といった判断です。

毎回ゼロから考えるのではなく、過去の経験を基に、確認項目を整理できます。

例えば、

「初めて使う材料か」

「要求される寸法や形状に不明点はあるか」

「過去に同じ条件で加工した記録があるか」

「試作や確認に使える時間はあるか」

といった質問です。

ただし、基準を作っても、すべての案件が同じ条件になるわけではありません。

基準は考え始めるための助けとして使い、個別の事情を確認します。

実践プロンプト⑮

「過去の案件記録を基に、試作が必要か検討するときの確認項目を作成してください。材料、形状、品質要求、過去の経験、納期、費用を含め、個別の条件によって判断が変わることも示してください」

29.今日の実践課題|加工方法の選択を整理しよう

今回は、ChatGPTを使って、製作方法の選択を整理する練習をしましょう。

架空の案件として、次の条件を考えます。

「樹脂部品の試作を依頼されました。お客様は三週間後に試作品を確認したいと考えています。自社で加工する方法と、協力会社へ一部を依頼する方法を検討しています。費用、設備の予定、協力会社の対応範囲はこれから確認します」

ステップ① 判断の目的を整理する

「この案件で実現したいことと、今回決める必要があることを整理してください」

ステップ② 確認済みの情報を分ける

「提示した内容から、確認済みの情報、未確認事項、仮定として扱う情報を分けてください」

ステップ③ 必要な質問を作る

「お客様、自社の製造担当者、協力会社へ、それぞれ確認する質問を作成してください」

ステップ④ 選択肢を広げる

「自社加工、協力会社への依頼、工程の分担、試作の進め方など、検討できる選択肢を挙げてください」

ステップ⑤ 必要条件を整理する

「品質、試作品の確認時期、製作数量など、必ず満たす必要がある条件を整理してください。未確定の条件は質問してください」

ステップ⑥ 比較基準を作る

「必要条件を満たした選択肢を比較するため、費用、納期、変更への対応、技術的な不確実性を整理してください」

ステップ⑦ 比較表を作る

「各選択肢について、確認できたことと未確認事項を分けた比較表を作成してください。空欄を推測で埋めないでください」

ステップ⑧ リスクを考える

「各選択肢で起こり得る問題、その影響、事前の確認、問題発生時の対応を整理してください」

ステップ⑨ 過去事例と比較する

「過去の類似案件が見つかった場合、今回の案件と比較するための項目を作成してください」

ステップ⑩ 試作で確かめることを決める

「今回の試作で何を確認するか、試作品だけでは分からないことは何かを整理してください」

ステップ⑪ 判断理由を記録する

「選択した方法、比較した候補、判断理由、残っている不明点を記録する様式を作成してください」

ステップ⑫ 実施後の振り返りを考える

「実施結果と判断の過程を分けて振り返り、次回の仕事へ活かすための質問を作成してください」

この練習では、ChatGPTが最初に提案した方法を、そのまま正解と考えないでください。

必要な情報を確認し、条件が変われば比較を見直します。

判断の練習で大切なのは、答えを早く出すことだけではありません。なぜその答えを選ぶのか、説明できる状態にすることです。

30.ChatGPTで判断を整理するときの注意点

ChatGPTは、選択肢、比較基準、未確認事項、リスクなどを整理できます。

一方で、伝えていない社内事情や、実際の設備の状態、お客様との約束を自動的に把握できるわけではありません。

また、もっともらしい説明があっても、根拠が十分でない場合があります。

そのため、回答の中で、

確認された情報は何か。

仮定していることは何か。

追加で確認すべきことは何か。

を見分ける必要があります。

費用や納期についても、AIが出した数字をそのまま使うのではなく、実際の見積や予定を確認します。

さらに、品質、安全、契約などに関わる判断では、必要な資料や担当者の確認を行います。

ChatGPTは、判断を考えるための相手です。

実際の仕事に責任を持って決めるのは、関係する人たちです。

31.判断する力は、どのように育つ?

仕事では、経験を積むほど、判断が速くなることがあります。

しかし、単に長い時間働けば、自動的に判断力が身につくとは限りません。

大切なのは、経験を振り返ることです。

何を目的にしたか。

どの情報を確認したか。

どの方法を選んだか。

なぜその方法を選んだか。

実際には何が起きたか。

次は何を変えるか。

この一つひとつを考えることで、経験が次の判断につながります。

また、自分とは異なる意見を聞くことも役立ちます。

自分が見ていなかった条件に気づくかもしれません。

過去の経験が今回には当てはまらないことが分かるかもしれません。

ChatGPTとの対話も、そうした確認の一つとして使えます。

ただし、AIが出した意見を受け取るだけでなく、実際の情報と照らし合わせながら、自分たちで考えることが重要です。

まとめ|選択肢を比べ、理由を持って判断する

今回は、ChatGPTを使って業務上の判断を整理する方法を学びました。

重要なポイントは、次のとおりです。

  1. 何を選ぶかの前に、何を実現したいかを明確にする。
  2. 目的と手段を分けて考える。
  3. 今回決めることと、判断期限を整理する。
  4. 確認できた事実、予想、仮定、未確認事項を分ける。
  5. 最初に思いついた方法だけでなく、別の選択肢も考える。
  6. 各選択肢が実行できる条件を確認する。
  7. 必ず満たす条件と、比較するための条件を分ける。
  8. 費用だけでなく、品質、納期、対応力なども比較する。
  9. 分からない情報を推測で埋めず、確認事項として残す。
  10. 数字で表せることと、文章で説明すべきことを組み合わせる。
  11. 点数を使う場合は、評価の根拠と限界を確認する。
  12. 何を重視するかによって、判断が変わることを理解する。
  13. 想定される問題と、その対応方法を具体的に考える。
  14. 過去の事例は、今回との共通点と相違点を確認して使う。
  15. 複数の意見について、背景にある条件を整理する。
  16. 必要に応じて、小さく試してから判断する。
  17. 選択した方法だけでなく、判断した理由を記録する。
  18. 実行中に条件が変わった場合は、影響を確認する。
  19. 結果と判断の過程を分けて振り返る。
  20. 振り返った内容を、次の仕事へ活かす。

仕事の判断には、迷う場面があります。

どの方法にも、良い点と難しい点があるかもしれません。

必要な情報がすぐにそろわないこともあります。

そんなとき、ChatGPTは、考えるべきことを整理し、別の視点を見つける相手になります。

しかし、AIに答えを聞くだけで、判断が完成するわけではありません。

実際の条件を確かめ、関係する人の意見を聞き、必要であれば試してみる。

そのうえで、自分たちが何を重視し、なぜ選んだのかを明確にします。

判断する力とは、いつもすぐに正解を出すことではありません。必要な情報を集め、選択肢を比較し、分からないことを確認しながら、理由を持って決める力です。

AIと一緒に考え、実際の仕事で確かめ、その結果から学ぶ。

そして、次の判断を少しずつ良くしていく。

その積み重ねが、中級編で身につけていきたい実践的なAI活用です。

                 一覧へ戻る
アリスの仕事に対する想いを見る オリジナルサンプル制作