ChatGPTソラ先生と学ぶ!中級者のためのAI実践講座【第27回】ChatGPTで意思決定の失敗を減らす方法|思い込み・先入観・判断の偏りに気づく実践講座
こんにちは、ソラ先生です。
前回は、ChatGPTを使って価格や納期、取引条件の交渉準備を進め、相手の事情を理解しながら実現可能な合意を探る方法を学びました。
今回は、仕事や日常生活で行っている「判断」そのものについて考えてみましょう。
テーマは「意思決定と思い込み」です。
皆さんは、こんな経験はありませんか?
「絶対に正しいと思っていたのに、結果は違っていた」
「過去に成功した方法を使ったのに、今回はうまくいかなかった」
「最初に聞いた情報が頭から離れず、別の選択肢を十分に検討できなかった」
「自分の考えを支持する情報ばかり集めてしまった」
「すでに多くの時間や費用を使ったため、途中でやめられなかった」
人間は、これまでの経験や知識を使って判断します。
それ自体は悪いことではありません。
むしろ、経験によって素早く適切な判断ができる場合もあります。
しかし、過去の経験や最初に得た情報が、現在の判断に影響しすぎることもあります。
ChatGPTは、自分とは異なる考え方を提示したり、判断の前提を整理したり、見落としている可能性を考える手助けができます。
今回は、**「判断の前提を確認する → 思い込みを見つける → 異なる意見を検討する → 根拠を確認する → 判断する → 結果から学ぶ」**という流れを実践していきましょう。
1.思い込みとは、どのようなものでしょうか?
例えば、ある製造会社で新しい加工設備の導入を検討しているとします。
これまで長年使用してきたメーカーの設備があり、特に大きな問題もなく使用してきました。
そのため、次に設備を購入するときも、同じメーカーがよいと考えています。
この判断は、間違っているのでしょうか。
必ずしもそうではありません。
過去の使用経験があり、操作方法や保守体制を理解していることは、重要な判断材料です。
一方、ほかのメーカーの設備を十分に調べていなければ、新しい選択肢を見落としている可能性があります。
例えば、現在の仕事に適した機能を備えた設備が、別のメーカーから販売されているかもしれません。
逆に、他社製品を比較した結果、従来のメーカーが最適だと確認できる場合もあります。
重要なのは、同じメーカーを選ぶこと自体ではありません。
過去の経験だけで判断しているのか、それとも現在の条件を確認したうえで判断しているのかという違いです。
2.判断の偏りを「認知バイアス」と呼ぶ
人間の判断には、さまざまな心理的な傾向が関係します。
こうした傾向の一部は「認知バイアス」と呼ばれます。
難しい言葉に聞こえるかもしれませんが、身近な例で考えることができます。
例えば、次のようなものです。
確証バイアス
自分の考えを支持する情報を重視し、反対する情報を十分に確認しなくなる傾向。
アンカリング
最初に提示された数字や情報が、その後の判断の基準になりやすい傾向。
サンクコスト効果
すでに使った費用や時間に影響され、今後の判断を変えにくくなること。
利用可能性ヒューリスティック
思い出しやすい出来事や印象的な経験を、判断で重視しやすくなる傾向。
これらは、人間が必ず間違えるという意味ではありません。
また、経験豊富な人だけが陥るものでも、初心者だけが陥るものでもありません。
大切なのは、自分の判断にも、こうした傾向が影響している可能性を理解しておくことです。
3.実践例|過去に成功した方法が、今回も正しいとは限らない
ある製造会社で、以前に難しい樹脂加工を成功させたとします。
そのときは、特定の工具と加工条件を使用して、安定した寸法精度を確保できました。
数か月後、似たような部品の加工依頼が入りました。
担当者は、以前と同じ方法で対応できると考えています。
しかし、今回の部品には違いがありました。
材料のグレードが異なる。
肉厚が薄くなっている。
寸法公差が厳しくなっている。
このような場合、以前と同じ加工条件が適切とは限りません。
ここでChatGPTに相談してみましょう。
実践プロンプト①
「過去に成功した樹脂加工方法を、今回の類似部品にも適用したいと考えています。過去の製品と今回の製品について、材料、形状、肉厚、寸法公差、設備、工具などの条件を比較し、同じ方法を使う前に確認すべきことを整理してください」
このように質問すると、過去の経験を否定するのではなく、現在の条件に合っているかを検討できます。
経験は、判断を助ける材料です。しかし、現在の条件を確認する代わりにはなりません。
4.確証バイアス|自分に都合のよい情報ばかり集めていない?
例えば、会社のホームページをリニューアルした後、問い合わせ件数が増えたとします。
担当者は、
「リニューアルが成功したから、問い合わせが増えた」
と考えました。
もちろん、その可能性はあります。
しかし、ほかの要因も考えられます。
同じ時期に新しい記事を公開していた。
既存のお客様から紹介があった。
特定の業界で需要が増えていた。
広告や外部サイトからの流入が変わっていた。
こうした可能性を十分に調べないまま、リニューアルの効果だと断定することはできません。
ここで確証バイアスが働くと、自分の考えを支持する情報ばかり集めてしまう場合があります。
そこでChatGPTに次のように質問します。
実践プロンプト②
「ホームページのリニューアル後に問い合わせ件数が増えました。私はリニューアルの効果だと考えています。この仮説を支持する可能性がある情報だけでなく、別の原因や、仮説と矛盾する情報も整理してください。因果関係を断定しないでください」
この質問によって、異なる視点から状況を検討できます。
5.反対意見を聞くことは、自分の考えを否定することではない
自分の考えについて、反対意見を聞くことに抵抗を感じる場合があります。
しかし、異なる意見を聞くことと、自分の判断を放棄することは違います。
例えば、設備投資を検討している場合です。
自分では新しい設備を導入するべきだと考えています。
その理由もあります。
しかし、ほかの人から、
「現在の設備を改善する方法もあるのではないか」
という意見が出たとします。
ここで、どちらが正しいかをすぐに決める必要はありません。
まず、両方の方法について、必要な条件を整理します。
設備更新によって何が改善するのか。
現有設備の改良で対応できる範囲はどこまでか。
費用や納期、保守の負担はどう違うか。
将来の仕事にも対応できるか。
ChatGPTには、次のように依頼できます。
実践プロンプト③
「私は新しい設備の導入が必要だと考えています。一方、現在の設備を改良するべきだという意見もあります。両方の立場について、合理的な根拠、弱点、追加確認事項を整理してください。最初からどちらかを正しいと決めつけないでください」
反対意見の中に新しい情報があれば、自分の考えへ取り入れることができます。
6.アンカリング|最初の金額に引っ張られる
次に、価格の判断について考えてみましょう。
例えば、新しい設備の見積を取得したとします。
最初のメーカーから提示された価格は1,200万円でした。
その後、別のメーカーから950万円の見積が届きました。
すると、950万円が非常に安く感じられるかもしれません。
しかし、ここで確認したいことがあります。
そもそも、1,200万円という最初の価格は、適切な比較基準なのでしょうか。
両方の設備の能力や仕様は同じなのでしょうか。
保守費用や付属品、設置費用は含まれているのでしょうか。
最初に提示された数字が、比較の基準として適切とは限りません。
これがアンカリングの一例です。
そこでChatGPTに次のように質問します。
実践プロンプト④
「設備Aが1,200万円、設備Bが950万円です。最初の提示価格に影響されず、性能、付属設備、設置費用、保守費用、保証、使用目的への適合性などを同じ条件で比較してください」
重要なのは、価格差の大きさだけで判断しないことです。
7.サンクコスト|ここまで使った費用が、次の判断を難しくする
ある会社で、新しいシステムを開発しているとします。
これまでに300万円を投じました。
しかし、開発を進めるうちに、当初想定していた機能を実現するには、さらに大きな費用が必要だと分かりました。
そこで、担当者はこう考えます。
「すでに300万円使っているのだから、ここでやめるのはもったいない」
この気持ちは理解できます。
しかし、すでに使った300万円は、今後の判断によって取り戻せるとは限りません。
これから追加で費用をかけるべきかどうかは、将来得られる効果や、完成までに必要な費用、ほかの選択肢をもとに考える必要があります。
ここでChatGPTに相談します。
実践プロンプト⑤
「システム開発にすでに300万円を使用しました。完成には追加費用が必要です。これまでの支出と、今後の意思決定に必要な費用・効果を分けて整理してください。継続、規模縮小、中止、別方式への変更を比較してください」
ただし、過去の支出をすべて無視すればよいという意味ではありません。
これまでに完成した成果物や、契約上の義務、撤退費用などが今後の判断へ影響する場合もあります。
重要なのは、過去の支出を理由に、将来の不合理な投資を続けないことです。
8.成功体験と失敗体験は、どちらも判断を偏らせることがある
過去の成功体験は、次の仕事に役立ちます。
しかし、失敗体験も判断へ強く影響する場合があります。
例えば、以前ある協力会社へ仕事を依頼し、納期遅延が発生したとします。
その経験から、
「あの会社へは二度と依頼しない」
と考えるかもしれません。
しかし、当時の遅延がなぜ発生したのか確認する必要があります。
会社の管理体制に問題があったのでしょうか。
特殊な材料の調達が遅れたのでしょうか。
その後、改善策が実施されたのでしょうか。
もちろん、繰り返し重大な問題が発生しているなら、取引を見直す判断も考えられます。
重要なのは、過去の一つの出来事だけで、現在の状況をすべて決めつけないことです。
ChatGPTには次のように依頼できます。
実践プロンプト⑥
「以前、協力会社との取引で納期遅延が発生しました。今後の取引継続を判断したいので、当時の問題、確認された原因、その後の改善状況、現在の対応能力を整理する評価項目を考えてください」
成功した経験も、失敗した経験も、事実として大切にしながら、現在の条件を確認する必要があります。
9.AI自身にも判断の偏りがある
ここまで、人間の思い込みについて考えてきました。
しかし、ChatGPT自身も、常に中立で正確な判断ができるわけではありません。
例えば、質問の仕方によって、回答の方向が変わることがあります。
「新しい設備を導入するメリットを教えてください」
と質問すれば、メリットを中心に回答する可能性があります。
一方、
「新しい設備を導入するリスクを教えてください」
と質問すれば、リスクが中心になるでしょう。
どちらも役立つ質問ですが、それだけでは全体像を把握できない場合があります。
また、AIは質問者の意見に合わせすぎたり、根拠の不足した内容をもっともらしく説明したりすることもあります。
そこで、質問の仕方を工夫します。
実践プロンプト⑦
「私は新しい設備を導入するべきだと考えています。しかし、私の意見に合わせて結論を出す必要はありません。導入する理由、導入しない理由、判断に不足している情報を整理し、根拠が確認できる範囲で説明してください」
ここで重要なのは、AIの回答も検証することです。
AIに反対意見を求めたからといって、自動的に正しい判断になるわけではありません。
10.判断の前提条件を見える化する
仕事で意思決定するとき、最初にどのような条件を置いているかによって、結論が変わる場合があります。
例えば、新しい設備を導入するという判断です。
その前提として、
「今後も現在の受注量が続く」
「新しい設備で加工時間を短縮できる」
「必要な作業者を確保できる」
「既存の設備より保守費用を抑えられる」
と考えているかもしれません。
しかし、これらの条件がすべて確認できているとは限りません。
そこで、判断の前提を整理します。
| 前提条件 | 確認状況 |
|---|---|
| 現在の受注量が継続する | 未確認 |
| 新設備で加工時間を短縮できる | 試験結果の確認が必要 |
| 作業者を確保できる | 人員計画を確認 |
| 保守費用が下がる | メーカー見積を確認 |
このように、判断の前提を表にすると、何が分かっていて、何がまだ分からないのか明確になります。
実践プロンプト⑧
「設備導入の判断について、私が前提としている条件を整理してください。それぞれを確認済みの事実、仮定、未確認情報に分け、結論へ大きく影響する項目を考えてください」
11.条件が変わったら、判断も変わる?
例えば、新しい設備の導入を検討しているとします。
当初は、今後3年間にわたって現在の仕事量が続くと考えていました。
しかし、主要なお客様の生産計画が変更される可能性が出てきました。
この場合、設備投資の判断も見直す必要があるかもしれません。
一方、新しい設備でしか対応できない仕事が増えているなら、別の判断になる可能性もあります。
そこで、条件を変えて比較する方法があります。
例えば、
受注量が現在と同じ場合。
受注量が20%減少した場合。
受注量が20%増加した場合。
それぞれで、設備の稼働率や費用回収の見通しを検討します。
ChatGPTには次のように質問します。
実践プロンプト⑨
「設備導入の判断について、受注量が現在と同じ場合、20%減少する場合、20%増加する場合の3つのシナリオを比較してください。それぞれで判断が変わる可能性がある条件を整理してください」
これは、将来の結果を予言する方法ではありません。
判断がどの条件に依存しているのかを確認する方法です。
12.判断を急ぐべきときと、調査を続けるべきとき
仕事では、十分に情報を集めてから判断したいと思うことがあります。
しかし、すべての情報がそろうまで待てるとは限りません。
例えば、明日までに材料を発注しなければ、納期に間に合わない場合です。
一方、高額な設備投資については、追加の資料や実機確認を行う時間があるかもしれません。
このように、判断に使える時間も重要な条件です。
そこで、次のことを考えます。
判断の期限はいつなのか。
間違えた場合の影響はどの程度か。
後から変更できる判断なのか。
追加調査によって重要な情報が得られる可能性はあるか。
調査に必要な費用や時間はどの程度か。
ChatGPTには次のように依頼できます。
実践プロンプト⑩
「この意思決定について、今すぐ判断する場合と、追加調査してから判断する場合を比較してください。判断期限、失敗した場合の影響、変更可能性、調査によって得られる情報を整理してください」
重要なのは、慎重さと先延ばしを混同しないことです。
13.自分の判断に対して、あえて反証を探す
ある案が有力になってきたとします。
例えば、新しい加工方法を採用したいと考えている場合です。
その方法には、加工時間を短縮できるというメリットがあります。
しかし、ここで次の質問をしてみましょう。
「この方法がうまくいかないとしたら、何が原因になるだろうか?」
例えば、
工具寿命が短くなる。
加工面の品質が安定しない。
特定の形状では適用できない。
測定工程で追加作業が必要になる。
こうした可能性が考えられます。
そこで、実際に確認する方法を考えます。
実践プロンプト⑪
「新しい加工方法を採用したいと考えています。この方法が期待どおりの結果にならない可能性を整理し、それぞれを検証するために必要な試験や記録を考えてください」
こうすることで、自分の考えを支持する情報だけでなく、反対する情報も集められます。
重要なのは、否定するために反対意見を探すことではありません。
判断が成立する条件と、成立しない条件を理解することです。
14.意思決定の記録を残してみよう
重要な判断を行ったとき、後からその理由を思い出せないことがあります。
例えば、半年前に設備を購入したとします。
当時は、現在の受注量や加工時間をもとに、設備導入が適切だと判断しました。
しかし、半年後に仕事量が変化した場合、当時の判断が間違っていたのか、前提条件が変わったのか、区別する必要があります。
そこで、判断したときの情報を残します。
例えば、次のような項目です。
判断した内容
何を決めたのか。
判断の目的
何を実現したかったのか。
利用した情報
どの資料や実績を確認したのか。
前提条件
どのような状況を想定していたのか。
検討した別案
ほかにどのような方法があったのか。
判断理由
なぜその方法を選んだのか。
今後の確認
どのような結果を確認する予定か。
ChatGPTには次のように依頼できます。
実践プロンプト⑫
「今回の意思決定について、目的、確認した事実、仮定、比較した選択肢、判断理由、未確認事項、今後の評価方法を記録できる意思決定ログを作成してください」
このような記録があれば、後から判断の過程を振り返りやすくなります。
15.結果が悪かったら、判断も間違いだった?
ここで、もう一つ大切なことがあります。
意思決定の結果が期待どおりにならなかった場合、その判断は必ず間違っていたのでしょうか。
必ずしもそうではありません。
例えば、設備投資を行った後、予想していなかった市場環境の変化によって受注が減少したとします。
その結果、予定していた稼働率を確保できなかったかもしれません。
しかし、判断した時点では、十分な情報を確認し、合理的な計画を立てていた可能性もあります。
逆に、ほとんど調査せずに設備を購入したものの、偶然仕事が増えて成功する場合もあるでしょう。
このように、判断の質と結果の良し悪しは、必ずしも一致しません。
重要なのは、判断した時点で利用できた情報や、検討方法を振り返ることです。
ChatGPTには次のように質問できます。
実践プロンプト⑬
「以前の意思決定について、結果が期待どおりになりませんでした。判断した時点で確認できた情報と、その後に判明した情報を分けて整理してください。結果だけで当時の判断を評価せず、改善できる判断過程を考えてください」
16.今日の実践課題|AIに反対意見を出してもらおう
今回は、ChatGPTを使って、意思決定を見直す練習をしてみましょう。
題材は、身近な仕事や日常生活の判断で構いません。
例えば、「会社のパソコンを新しい機種へ買い替える」という判断です。
ステップ① 自分の考えを伝える
ChatGPTに次のように質問します。
「現在使用しているパソコンの動作が遅くなったので、新しい機種へ買い替えるべきだと考えています」
ステップ② 判断の前提を整理する
「この判断に含まれている前提条件と、まだ確認できていない情報を整理してください」
ステップ③ 反対意見を考える
「買い替えずに問題を解決できる可能性を考えてください。設定変更、部品交換、ソフトウェアの見直しなどの方法も検討してください」
ステップ④ 両方の案を比較する
「買い替えと既存パソコンの改善について、費用、性能、作業停止時間、将来性を比較してください」
ステップ⑤ 自分の思い込みを確認する
「私は最初から買い替えるべきだと考えています。この判断に、どのような思い込みが影響している可能性がありますか?」
ステップ⑥ 条件を変更して考える
「もし現在のパソコンが比較的新しく、必要な性能を満たしていると分かった場合、判断はどう変わりますか?」
ステップ⑦ 判断に必要な情報を整理する
「現時点で結論を出せるか確認してください。不足している情報があれば、重要度順に整理してください」
ステップ⑧ 判断の記録を作る
「今回の検討内容を、確認した事実、仮定、比較した方法、判断理由、今後の確認事項に分けて整理してください」
この練習では、必ず最初の考えを変更する必要はありません。
自分の判断について、異なる視点から確認することが目的です。
17.AIの意見に反対することも必要
ChatGPTに相談すると、自分とは違う考え方を提示される場合があります。
しかし、AIの意見が正しいとは限りません。
例えば、AIが、
「新しい設備を購入した方がよいでしょう」
と提案したとします。
しかし、実際の現場では、現在の設備を改良することで十分に対応できるかもしれません。
その場合は、AIに反対意見を伝えます。
「現在の設備では、部品交換と加工条件の見直しによって改善できる可能性があります。その方法も含めて比較してください」
このように、自分が持っている情報を追加して検討します。
重要なのは、AIの回答に従うことではありません。
また、必ずAIの回答を否定することでもありません。
互いに異なる視点を使いながら、確認できる事実に近づいていくことです。
18.良い意思決定とは、何でしょうか?
最後に、意思決定について考えてみましょう。
仕事では、いつも十分な情報がそろっているとは限りません。
また、どれだけ調べても、将来の結果を完全に予測することはできません。
だからといって、考えることをやめる必要はありません。
現在分かっていることを確認する。
まだ分からないことを明確にする。
複数の方法を考える。
反対意見にも目を向ける。
必要な情報を調べる。
そして、判断する。
実際に行動した後は、その結果を確認する。
予想と違っていれば、原因を考え、次の判断へ活かす。
この繰り返しが大切です。
ChatGPTは、判断の前提を整理し、異なる視点を提示し、比較するための情報をまとめることができます。
しかし、現実の状況をすべて理解しているわけではありません。
そのため、AIの提案も検証の対象です。
良い意思決定とは、絶対に間違えない判断ではありません。利用できる情報を確認し、異なる可能性を検討し、結果から学びながら改善できる判断です。
まとめ|AIと一緒に、自分の判断を磨いていく
今回は、ChatGPTを使って意思決定の失敗を減らす方法を学びました。
重要なポイントは、次のとおりです。
- 経験や直感を活かしながら、現在の条件も確認する。
- 確証バイアスやアンカリングなど、判断の偏りを理解する。
- 自分の考えを支持する情報だけでなく、反対する情報も調べる。
- 過去の成功や失敗だけで、現在の状況を決めつけない。
- すでに使った費用と、今後の判断に必要な費用を区別する。
- AIの回答も、必ずしも中立で正確とは限らないことを理解する。
- 判断の前提条件を明確にする。
- 条件が変わった場合に、結論がどう変わるか検討する。
- 判断の理由を記録し、結果から振り返る。
- 結果の良し悪しだけでなく、判断した過程も評価する。
私たちは、仕事や日常生活でさまざまな判断を行っています。
その中には、正解が一つに決まっていない問題もあります。
また、同じ判断でも、状況が変われば適切な方法が変わることがあります。
だからこそ、自分の考えだけに固執せず、異なる意見や新しい情報を受け止めることが重要です。
ChatGPTは、そのための相談相手として活用できます。
しかし、AIの答えをそのまま正解として扱う必要はありません。
自分の考えとAIの提案を比較し、必要な事実を確かめ、納得できる判断を組み立てていく。
そして、実際に行動し、結果を確認する。
AIを使って判断力を高めるとは、AIに代わりに決めてもらうことではありません。自分では気づかなかった可能性を知り、より多くの視点から考えられるようになることです。
AIと一緒に考え、試し、学び、改善する。
その積み重ねが、実務でAIを活用する力につながっていきます。
次回【中級編・第28回】
「ChatGPTで問題解決のアイデアを広げる方法|発想の転換・異業種の知恵・実現可能性を検討する実践講座」
次回は、従来の方法では解決しにくい問題について、ChatGPTを使って新しい発想を生み出す方法を学びます。
単にアイデアを大量に出すのではなく、異なる業界や技術の考え方を組み合わせ、実際に試せる解決策へ発展させる方法を考えていきましょう。