AIを使っても、最後に判断するのは人
ChatGPTを使うと、短い時間でさまざまな情報を得られることがあります。
知らない専門用語を調べたり、複数の方法を比較したり、自分では思いつかなかった選択肢を知ったりすることもできます。
便利な技術ですが、実際の仕事に使うときには、考えておきたいことがあります。
それは、AIが出した答えを、誰がどのように判断するのかということです。
例えば、樹脂製の機械部品について、材料変更を検討する場合です。
現在使用している材料に問題があり、別の材料を探しているとします。
AIに使用条件を伝えれば、候補となる樹脂材料や、それぞれの一般的な特徴を整理できる場合があります。
しかし、候補が見つかっただけでは、材料を変更することはできません。
実際の使用温度は何度なのか。
荷重はどの方向に、どの程度加わるのか。
薬品や水分に触れる可能性はあるのか。
相手部品との関係はどうなのか。
こうした条件を確認する必要があります。
さらに、材料を変更すれば、加工方法や製作コスト、納期も変わる可能性があります。
材料の性能だけを比較して決められる仕事ではありません。
必要に応じて、材料メーカーや専門技術を持つ協力会社に確認し、試作品による評価を検討することもあります。
ここでAIが役立つのは、情報を整理し、確認すべき条件を考える部分です。
一方、実際の製品に採用するかどうかは、確認された事実をもとに判断する必要があります。
これは、AIを使わない仕事でも同じです。
例えば、協力会社から新しい加工方法を提案された場合。
その方法が優れているとしても、今回の製品に適しているかどうかは別の問題です。
求められる品質やコスト、納期を確認し、お客様の目的に合っているかを考えなければなりません。
(株)アリスは、自社加工と国内協力会社の技術を組み合わせながら、研究開発から生産現場までのものづくりに関わっています。
必要な技術や知識を持つ人と協力することは大切ですが、引き受けた仕事の責任まで相手に任せるわけではありません。
AIについても、同じように考えています。
AIが作成した文章や整理した情報が、実際の仕事に適しているかを確かめる。
誤りがあれば修正する。
判断できないことがあれば、必要な資料や専門家の意見を確認する。
便利な道具に仕事を任せることと、仕事の責任を手放すことは違います。
AIによってできることが増えても、何を実現したいのかを考え、必要な判断をすることは、人が担う大切な仕事だと思っています。