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消された歴史ではなく、「消し切れなかった歴史」を見る

2014.05.13

歴史を調べていると、「これは意図的に消されたのではないか」と思う場面が多々あります。

実際、支配する側が自分たちに都合のいい記録を残したり、敗者の記録が残らないことが
多く認められます。

でも私は、そこだけを見るより、もう一つ面白い見方があると思います。

消し切れなかったものを見る。

名前が残る。

墓が残る。

神社が残る。

地名が残る。

祭りが残る。

供物が残る。

伝承が残る。

王朝が変わっても、行政区分が変わっても、人々の暮らしは続きます。

中央で歴史書を書き換えることができても、全国の小さな村の記憶まで一斉に
消すことは難しい。

だから土地の中には、ときどき別の歴史が残ります。

もちろん、それがすべて正しいとは限りません。

千年も経てば物語は変わります。

英雄化もされる。

神様にもなる。

別の人物と混ざる。

でも、何もないところに、複数の土地で何百年も同じ人物の記憶が残り
続けることも考えにくい。

だから私は、

「この伝承は事実か」

と最初に裁くのではなく、

「なぜこの伝承がここまで残ったのか」

と考えてみたい。

勝った側が残した文字と、

土地の人が残した行為。

その両方を並べた時、初めて見えてくるものがあります。

歴史の中で本当に消されたものは、私たちには見えません。

だからこそ、

消そうとしても残ったもの。

忘れられずに残ったもの。

説明できなくなっても守られたもの。

そこから拾っていく。

それが、支配する側の記録だけでは見えない歴史へ近づく
一つの方法だと思います。

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