戦争より婚姻の方が、国を大きくしたのかもしれない
2014.08.01
古代の勢力拡大というと、どうしても戦争を想像します。軍を送り、相手を倒し、領土を広げる。確かにそういう出来事はあったでしょう。でも、それだけで何世代も安定した支配を続けることは難しいと思います。
もっと静かで、しかも強力な方法があります。婚姻です。
ある地域の有力者の娘が、別の地域の有力者へ嫁ぐ。子どもが生まれる。その子は二つの家の血を引きます。昨日まで別々だった一族の利害が、家族という形で結び付いていく。
戦争なら相手を殺しますが、婚姻なら相手を自分たちの中へ取り込めます。
そして何世代か経てば、「どちら側だったのか」すら曖昧になります。
神話に婚姻の話が非常に多いのも、私は気になります。誰と誰が結ばれ、誰が生まれたのか。それが延々と語られる。
単なる神様の家系図でしょうか。
あるいは、実際に別々だった地域や一族が結ばれていった記憶が、神々の婚姻として残ったのでしょうか。
もしそうなら、古代の政治は戦場だけでは見えてきません。
系図を見る。
婚姻を見る。
どの土地の神と、どの土地の神が結ばれたのかを見る。
そこに、剣ではなく結婚によって作られた政治地図が隠れている可能性があります。
国を大きくしたのは、戦った男たちだけではなかった。
名前をほとんど残されなかった女性たちが、実は地域と地域を結んでいたのかもしれません。
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