古代の人は、洪水を「失敗」と考えていたのか
2014.08.26
現在、川があふれると治水の失敗だと考えます。
でも昔の農業では、洪水は必ずしも悪いことばかりではありません。
川があふれると、上流から土や栄養分を運んできます。洪水のあとに肥沃な土地が生まれることがあります。
だから人間は、水を完全に止めるより、「どこへ流すか」を考えていた可能性があります。
水が広がってもいい場所。
家を建てない場所。
田として使う場所。
少し高く盛って住む場所。
川と戦うのではなく、川が動く前提で暮らす。
河内湖周辺のような低湿地では、こういう考え方がなければ長く生活するのは難しかったでしょう。
香取海や印旛沼周辺も同じです。
現在のような巨大堤防がない時代、人間は水が来ることを受け入れながら暮らす必要があります。
だから私は古墳や神社、集落跡を見る時、高さが気になります。
ほんの数メートル。
でも洪水の時には、その数メートルが生死を分ける。
現在の平らな地図では見えない小さな高低差を、昔の人は身体で知っていました。
「ここなら水が来ない」
その知識が何百年も蓄積されていた。
それが祭祀や地名の中にも残った可能性があります。
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