つくり方を決める前に、考えることがある。
加工方法の選択にも、ものづくりの技術がある。
同じ部品を製作する場合でも、加工方法が一つとは限りません。
使用する材料、製作数量、必要な精度、形状、納期、費用。
さまざまな条件によって、適した方法は変わります。
例えば、一個だけ必要な試作品と、数百個必要な生産部品では、製作方法を選ぶ基準が異なる場合があります。
少量であれば、切削加工によって必要な形状を直接製作する方法が適しているかもしれません。
一方、数量や形状によっては、治具を工夫したり、別の加工方法を検討したりすることで、効率がよくなる可能性もあります。
大切なのは、最初から特定の加工方法を決めつけないことです。
加工できることと、適した方法でつくることは違う。
技術的には製作できる形状でも、必要以上に時間や費用がかかる方法では、お客様の目的に合わない場合があります。
反対に、安く早くつくれる方法でも、必要な精度や品質が確保できなければ意味がありません。
加工方法を検討するときには、何を優先するべきかを整理する必要があります。
精度が最優先なのか。
短納期が必要なのか。
試験用として最低限の機能が確認できればよいのか。
繰り返し使用することを考慮する必要があるのか。
条件を整理することで、選択できる方法が見えてきます。
材料を知ることも、加工技術の一部。
樹脂や金属には、それぞれ異なる性質があります。
硬さや強度だけでなく、熱による変形、加工時の応力、寸法の安定性、表面の仕上がりなど、注意すべき点もさまざまです。
同じ形状でも、材質が変われば加工条件や工具の選定、固定方法を見直す必要がある場合があります。
また、材料の特性によっては、図面で指定された形状や公差の実現に課題が生じることもあります。
そのような場合には、単に加工を進めるのではなく、問題となる条件を確認し、必要に応じてお客様と相談します。
材料を選ぶこと。
加工方法を決めること。
製作条件を整えること。
これらもすべて、完成品の品質を左右する技術的な仕事です。
加工機が動く前にも、技術者の仕事がある。
完成した製品を見ると、加工技術の高さは形状や寸法精度に表れます。
しかし、その結果を生み出すためには、加工前の判断も重要です。
どの順番で加工するか。
どこを基準に固定するか。
どの工具を使用するか。
どの段階で寸法を確認するか。
こうした判断の積み重ねによって、加工品質や作業効率が変わってきます。
(株)アリスでは、研究開発から生産現場まで、さまざまな条件の製作に取り組んでいます。
一つとして同じ条件ではない仕事に対して、目的に合った方法を考える。
加工する技術だけでなく、加工方法を選択し、製作工程を組み立てる力も、私たちが大切にしているものづくりの一部です。