執着を手放すという練習(前編)
(株)アリスが日々の仕事や人との関わりの中で感じることの一つに、「執着を手放すことの難しさ」があります。
過去は過去。
今は今。
失敗は成功のもと。
なるようになる。
笑う門には福来る。
こうした言葉は、誰もが一度は聞いたことがあると思います。頭では理解しているつもりでも、実際の現実では、なかなかその通りにはいきません。
人は時に、悲しみや怒り、これからの不安に覆われてしまいます。
心が苦しくなり、気持ちが前に向かなくなることもあります。
(株)アリスも決して例外ではありません。
むしろ、まだまだ学びの途中にあり、同じように悩みながら日々を過ごしています。
そんな時、「何もかも忘れて夢中になれることをする」という方法がよく語られます。
実際、好きなことに没頭すると気分が変わることもあります。
しかし正直なところ、好きなことをしていても、ふと嫌な出来事を思い出してしまうこともあります。
苦手な人の顔が頭に浮かぶこともあるでしょう。
それでも一つだけ確かなことがあります。
人は、同時に複数のことへ完全に集中することはできません。
つまり、嫌なことを思い出している瞬間というのは、その対象にフォーカスしているだけの状態とも言えます。
そしてその「瞬間」が連続しているからこそ、嫌な記憶がずっと続いているように感じてしまいます。
もしそうだとしたら、その間に少しずつ別のものを差し込んでいくことはできるかもしれません。
好きなことでも、仕事でも、何かに夢中になる時間を少しずつ挟んでいくのです。
嫌な人は、言ってしまえば「通行人のひとり」かもしれません。
人生の長い時間の中では、ほんの一瞬すれ違った存在に過ぎないこともあります。
そして辛い出来事も、時間が経てば少しずつ「過去のデータ」へと変わっていきます。
もちろん完全に忘れることは難しいでしょう。
しかし、月日というものは確実に記憶を風化させていきます。
人間の記憶力は、思っているほど完璧ではありません。
だからこそ、無理に忘れようとするよりも「まあいいか」と少しずつ手放していく姿勢が大切なのかもしれません。
※後編につづきます。