8割主義という現実的な技術。(株)アリスが考える理想との向き合い方
ものづくりの世界では、品質や精度を高く追求する姿勢が求められます。
そのため、技術者には真面目で責任感が強く、妥協をしない努力家が多い傾向があります。(株)アリスの現場でも、そうした気質を持つ人は少なくありません。
しかし、その姿勢が「完璧主義」に傾きすぎると、仕事は次第に苦しいものになっていきます。
失敗を許せない。失敗を避けるためにリスクヘッジばかりを考える。細部まで気になりすぎてしまい、神経を使い続けてしまう。そうして気が付けば、必要以上のストレスを抱えてしまうこともあります。
実際、そうした状態が長く続いた経験を持つ技術者も少なくありません。
今でもその気質が完全に消えるわけではありませんが、少し視点を変えることで仕事との向き合い方は大きく変わります。その一つが「時間軸で考える」という視点です。
理想というものは、段階を経て近づいていくものです。
数日で実現できる改善もあれば、数年、あるいは数十年かけてようやく形になる技術もあります。すべてを今この瞬間に完璧にしようとすると、現実とのギャップに苦しんでしまいます。
そこで(株)アリスでは、「8割主義」という考え方を大切にしています。
これは手を抜くという意味ではありません。一定の期間を決め、その時間の中で達成可能な“理想のレベル”を設定するという考え方です。限られた時間の中で最善を尽くし、その段階の理想を実現する。そして次の段階へ進んでいく。
もし思うような結果にならなかった場合も、必要以上に自分を責める必要はありません。
時間設定が現実と合っていなかったのかもしれませんし、方法論に改善の余地があるのかもしれません。その場合は、冷静に分析し、時間や方法を見直して再挑戦すればよいのです。
技術というものは、一度の挑戦ですべてが完成するものではありません。
試行錯誤を重ねながら、少しずつ理想に近づいていくものです。その意味では、完璧を求め続けるよりも「今の理想を確実に実現する」ことの方が、結果として大きな前進につながることも多くあります。
そしてもう一つ大切なのが、人との関係においても同じ考え方を持つことです。
自分にも周囲にも完璧を求めすぎない。互いの状況を理解しながら、少し余白を持って仕事を進めていく。その“ちょうどいい加減”が、長く良い関係を築くための大切なバランスになります。
(株)アリスのものづくりは、理想を追いながらも現実を大切にしています。
完璧を焦って追いかけるのではなく、8割を確実に積み重ねながら、少しずつ理想に近づいていく。それもまた、技術を育てていく一つの知恵だと考えています。