安価で高性能。その反面を理解して使う ― ポリアセタール樹脂(POM)
2022.08.11
ポリアセタール樹脂(POM)は、ギヤ(歯車)やプーリー、ベアリングと
いった摺動部品をはじめ、各種機械部品、燃料・オイルタンクやポンプ部品、
ドアレール、ロック機構、ラッチ、シートベルトのロック部品など、非常に
幅広い分野で使用されているエンジニアリングプラスチックです。
さらに、生産現場や検査工程、各種テストや組立作業で使用される治具類にも
多用されており、安価でありながら優れた機械特性を持つ素材として高い評価を
受けています。
一方で、POMには設計・使用時に理解しておくべき短所も存在します。
代表的なのが「接着がほぼできない」点です。
POM用とされる接着剤も試されてきましたが、ABSやポリカーボネート、アクリル、
塩ビのような強固な接着は期待できません。
そのため(株)アリスでは、分割部品を組み合わせる際にはピン止めなど、機械的
固定を前提とした構造提案を行っています。
また、標準グレードは耐候性が低く、屋外使用では経年劣化が進みやすいため
注意が必要です。
屋外用途では、耐候グレードの指定を含めた材料選定が欠かせません。
耐薬品性については、有機溶剤やアルカリには強い一方、強酸には弱く、使用環境の
見極めが重要です。
さらに可燃性があるため、使用条件・安全性への配慮も必要となります。
(株)アリスでは、こうした素材の長所だけでなく短所も踏まえた上で、POM切削加工
による試作・治具、生産現場での部品など製作を行い、開発現場から生産現場、研究
開発言で本当に使える部品づくりを行っています。
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