一呼吸おくという技術。
正直に言うと、私は機転が利くタイプではありません。
人見知りがひどく、仲良くなるまでは緊張してしまって上手に会話が出来ません。
いわゆる「ヴィット(とっさに気の利いた言葉が出てくる力)」がある人を見ると、すごいなと思います。
その反面、以前の私は慌てて答えてしまい、
本心や意思とは違う発言をしてしまうことが多々ありました。
忍耐力も足りず、相手の話を最後まで聞けない。
結果として、後から「違う意味で伝わってしまったな」と反省することも少なくありませんでした。
そこで意識し始めたのが、一呼吸おいてから話すということです。
すぐに答えようとしない。
まず相手の言葉を受け止める。
そして、心と頭が落ち着いてから言葉を選ぶ。
これも最初はうまくいきませんでした。
ですが、不思議なもので、意識し続けていると少しずつ変わってきます。
最近では、自分が本当に伝えたい内容を、思う通りに言葉にできる場面が増えてきました。
きちんと冷静に「心から聴く」ことができるようになると、
自然と言葉の表現にも意識が向きます。
相手の立場に立って考え、どう伝えれば良いかを思考できるようになる。
会話が一方通行ではなく、やり取りとして成立してくる感覚です。
そうなると、以前なら傷ついたり、感情的になってしまった言葉も、
今では笑って受け流せるようになってきました。
自分の心に余白が生まれたのだと思います。
製造業でも、仕事の本質は人との関わりです。
技術や経験だけではなく、どれだけ相手を理解しようとするか。
その積み重ねが、結果として信頼や品質につながっていきます。
見識を広げ、学びを深めるためには、
多くの人とコミュニケーションを取り、識り、気づき、考えることが欠かせません。
その土台になるのが「聴く力」だと、今は強く感じています。
まだ道半ばですが、
この“聴く技術”をさらに磨き、スキルとして昇華させ、
次の飛躍につなげていきたいと思っています。