【後編】素材選定こそが試作の品質を決める ― ABS(透明)の立ち位置 ―
2023.10.08
ABS(透明)は、決して「万能な透明材料」ではありません。
しかし、だからといって価値のない素材でもありません。
重要なのは、それぞれの素材が持つ特徴を正しく理解し、用途に
応じて適切に選ぶことです。
ABSの最大の特長は、割れにくさと加工後の扱いやすさです。
アクリル(PMMA)のようなシャープな透明感は得られませんが、
その代わりに衝撃への耐性があり、試作段階での安心感があります。
また、コスト面でも比較的リーズナブルで、複数案を同時に検証したい
開発フェーズでは大きなメリットとなります。
(株)アリスでは、「透明に見せたい」という要望があった場合でも、
必ずしも一つの素材に固執することはありません。
ABS、アクリル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)など、素材を変えた複数案
での試作を行い、実際の見え方、扱いやすさ、コスト、加工難易度を含めて
総合的に判断することも可能です。
※ABS(透明)の射出成形品は透明度も高くてよく使用されています。
素材選定は、設計の一部であり、同時に品質を左右する重要な技術判断です。
加工技術だけで無理に補おうとするのではなく、素材の特性を尊重し、活かす
方向で仕上げることが、結果として最も合理的で美しいものづくりにつながります。
ABS(透明)の透明化処理は、その考え方を象徴する一例です。
(株)アリスはこれからも、素材と正直に向き合い、試作現場にとって本当に
意味のある「使える加工」を追求し続けます。
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