② 起業して5年間の創成期は項羽型のリーダーシップが必要だった
創成期には、圧倒的なカリスマ性と行動力を発揮することが
求められました。
私自身、劉邦のように巧みに人を動かすことを目指しましたが、
経験不足や環境の厳しさに翻弄されることも多くありました。
結果として、他人に振り回されピンチとなる状況に何度も巻き込まれ、
自分の理想と現実とのギャップに苦しむことが多々ありました。

「自分の会社は自分が一番理解している」
「苦しい時こそ他人に頼らず、信念に基づき進む」
そのように自分に言い聞かせても、凡人である私は心が揺れる。
無責任で金儲けだけのコンサルや仲間づらしたハイエナのような人たち
にも騙されて、かなり散財した事も何度かありました。

しかし、この厳しい経験こそが私の甘さや弱さを教えてくれました。
すべて自己責任であり、他人に甘えや依存があった私の問題です。

自分の責任だと気づいてからは自立を図り、独りでも平気なように訓練
しました。
経営者は孤独だし、誰にも依存しないことが大切です。
自立した上での相互依存でないと見抜かれて金づるにされてしまいます。

そんな修羅場で、私は何をしたいのだろう?と考えた結果、スタッフは
当然の事、お客様や外注先様、仕入先様も含めた関連がある人たちに
貢献する事でした。
人に褒められると嬉しいし、役立てると誇りに思えます。

苦しくて辛かった経験が私を強くして、またお客様の開発からの生産
現場に役立つ事から始まる社会貢献という、(株)アリスの経営哲学を
確立する礎となりました。

今では単に力で押し進めるだけではなく、状況を見極め、信念を曲げずに
進む方法を実現出来つつあります。

創成期は、創業者としての自己理解と行動原則を磨くための重要な
期間だったと今では分かっていて、有難かったなと感謝している
起業しての5年間の創成期でした。