スーパーエンジニアリングプラスチック比較/PPS・PEEK・LCPの特性と使い分け
2022.09.16
スーパーエンジニアリングプラスチックは、
高温・高負荷・薬品環境など過酷な条件下で使用される材料です。
用途に応じた材料選定と、それを形にする切削加工技術が重要となります。
材料特性比較一覧
| 材料名 | PPS | PEEK | LCP |
|---|---|---|---|
| 正式名称 | ポリフェニレンサルファイド | ポリエーテルエーテルケトン | 液晶ポリマー |
| 耐熱温度 | 約260~280℃ | 約300℃ | 約240~260℃ |
| 機械強度 | 高い | 非常に高い | 中~高 |
| 耐薬品性 | 非常に優秀 | 非常に優秀 | 優秀 |
| 難燃性 | 自己消火性 | 自己消火性 | 自己消火性 |
| 寸法安定性 | ◎ | ◎ | ◎ |
| 切削加工性 | 良好 | やや難 | 非常に難 |
| 材料コスト | 比較的抑えめ | 高価 | 高価 |
各材料の特徴と用途
■ PPS(ポリフェニレンサルファイド)
コスト・性能・加工性のバランスに優れた万能型スーパーエンプラ
接着が難しいため、多面切削による一体構造設計が重要
高耐熱・高耐薬品性・難燃性を兼ね備える
寸法安定性が高く、精密切削加工に適する
- 接着が難しいため、多面切削による一体構造設計が重要
主な用途
- モーター部品、インシュレーター、ボビン
- 電装・電子部品、ポンプ部品、ギア
- 自動車・家電向け機構部品
➡ 「まずPPSで検討」されるケースが多い材料
■ PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)
最高クラスの耐熱性と機械強度を持つ最上位素材
- 耐熱温度は約300℃
- 機械強度・耐摩耗性が非常に高い
- 過酷な条件下でも性能を維持
- 材料費が高く、加工ノウハウが必須
主な用途
- 航空・宇宙部品
- 医療機器部品
- 高温・高負荷の摺動部品
➡ 「性能最優先」「代替が効かない」用途向け
■ LCP(液晶ポリマー)
超薄肉・微細形状に強いが、切削加工は難易度が高い
- 流動性が非常に高く、射出成形向き
- 寸法安定性・耐熱性に優れる
- 繊維配向が強く、切削では割れやすい
主な用途
- 電子コネクタ
- 微細電装部品
- 高周波対応部品
➡ 切削加工は試作・形状確認用途が中心
(株)アリスの強み ― スーパーエンプラ切削試作対応力
(株)アリスでは、
PPS・PEEK・LCPを含むスーパーエンプラについて、
- 用途・環境条件を踏まえた材料選定
- 試作に適した切削加工方法の提案
- 複雑形状・多面加工への対応
を一貫して行っています。
射出成形前の評価用試作、
量産前の機構検証、
治具・少量部品まで柔軟に対応可能です。
材料選定で迷ったら、まずご相談ください
「PPSで足りるのか?PEEKが必要か?」
「LCP形状を切削で確認したい」など、
設計段階からのご相談も歓迎しています。
スーパーエンプラ切削試作は、
材料理解と加工経験が豊富なアリスにお任せください。
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