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東北の英雄が、なぜ大阪で祀られているのか

2014.02.08

アテルイとモレは、東北の人です。

故郷は遠い。

生きた土地も、守った人たちも、東北にいた。

それなのに今、大阪の枚方に二人の塚がある。

私は、この距離がとても不思議です。

普通なら、人は故郷で祀られる。

生まれた土地。

暮らした土地。

家族や仲間がいた土地。

でも二人は、最後の地となった大阪にも残った。

なぜか。

私は、処刑された場所だったからだけではないと思っています。

もしそれだけなら、名前だけ残ればいい。

でも実際には、人が手を合わせる。

花が置かれる。

酒が供えられる。

そこには、

「ここで亡くなった人だから」

以上の感情があるように見える。

私は、大阪の人たちの中にも、

この二人を気の毒に思った人。

立派な人だったと感じた人。

忘れてはいけないと思った人。

そんな人たちがいたのではないかと想像します。

遠く東北から連れて来られた二人。

故郷の山も川も見えない。

知っている人もほとんどいない。

その最後を見た人が、

「せめてここでは忘れないでおこう」

と思ったのかもしれない。

それが次の人に伝わる。

また次の人に伝わる。

そして何百年もたつ。

私は、そこに人間のやさしさを感じます。

国が違っても。

出身が違っても。

支配する側と、される側でも。

目の前にいる人間を見て、

「この人は悪い人ではない」

と感じることはある。

アテルイとモレは、東北では国を守った人として。

大阪では、最後まで誇りを失わなかった人として。

二つの土地に記憶を残した。

だから私は、

東北の英雄が大阪で祀られているのは、土地を越えて人の心に残ったから

だと思っています。

本当に忘れられない人は、

故郷だけには残らない。

その人を見た人の心にも残る。

アテルイとモレは、遠く離れた大阪でも、

誰かに覚えてもらえる生き方をした。

私は、そう思っています。

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