「ここ、少し気になります」が言えるようになると、仕事は変わります
仕上げ検査の仕事で大切なのは、何も問題を起こさないことだけではありません。
私は、気づいたことを一言伝えられることも、大切な技術の一つだと思っています。
(株)アリスでは、試作品や開発部品、生産設備に使われる部品など、いろいろな製品を扱っています。
毎回まったく同じ製品とは限りません。
仕上げをしていると、
「いつもより少し傷が多い気がする」
「この部分、形が違って見える」
「この角はどこまで仕上げていいんだろう」
と感じることがあります。
経験が少ないうちは、それが本当に問題なのかどうか分からないこともあります。
そんなとき、
「間違っていたら恥ずかしい」
「忙しそうだから聞きにくい」
「こんなことを言っていいのかな」
と思って、そのままにしてしまう人もいるかもしれません。
でも、ものづくりでは、その小さな違和感が大事なことがあります。
だから、
「ここ、少し気になります」
と言ってみる。
それだけで十分なことがあります。
加工した人が見れば、
「これは加工上できる跡だから大丈夫」
と分かるかもしれません。
反対に、
「よく気づいた。ここは確認しよう」
となることもあります。
どちらでもいいのです。
大切なのは、自分が感じた違和感を仕事の中に出してみることです。
私は、最初から何でもはっきり言える人ばかりだとは思っていません。
人に話しかけるのが得意ではない。
自分の考えに自信がない。
気づいても、少し迷ってしまう。
それでも構いません。
ただ、そのままで終わるのではなく、
今日は一回言ってみる。
次は自分から確認してみる。
その次は、
「こうした方が仕上げやすいと思います」
と、自分の考えも言ってみる。
少しずつでいいと思っています。
その一言が、品質を良くすることがあります。
作業を楽にすることがあります。
次に同じ製品を作るときの改善につながることがあります。
せっかく気づいたのに、言わないままではもったいない。
会社にとってもそうですが、本人にとってもそうです。
自分が考えたことが仕事に使われる。
自分の一言で、やり方が少し良くなる。
そんな経験が増えると、自分の仕事への自信も少しずつ変わってきます。
(株)アリスでは、おしゃべりが得意な人を求めているわけではありません。
静かな人でもいい。
慎重な人でもいい。
でも、仕事をより良くするために必要な一言は、少しずつ言えるようになってほしい。
そして、その変化を私たちは急がせるのではなく、仕事の中で一緒に育てていきたいと思っています。