昨日の経験を、今日の「データ」に変える。
経験を積むことは、ものづくりにとって大切です。
しかし、同じ仕事を長く続けているだけで、必ずしも経験が技術へ変わるとは限りません。
昨日どのような仕事をしたのか。
何がうまくいったのか。
どこで時間がかかったのか。
どの判断が結果へ影響したのか。
そこまで振り返ることで、経験は次に使える情報になります。
(株)アリスでは、昨日までの経験や結果を、単なる思い出ではなく「データ」として捉えることを大切にしています。
これは、数字だけを記録するという意味ではありません。
加工条件。
材料の反応。
工具の状態。
固定方法。
工程の順番。
寸法測定の結果。
加工した人が感じた違和感。
お客様からいただいた評価。
こうした情報を整理すると、次の仕事で判断するための材料になります。
研究開発や検証用の試作モデルでは、特にこの考え方が重要です。
一回目の試作で、期待した結果が出なかったとします。
それを単なる失敗として終わらせれば、次も同じところから考え直すことになります。
しかし、
どの部分が想定と違ったのか。
その原因として何が考えられるのか。
次は、どの条件を変えるのか。
そこまで整理しておけば、二回目の試作は一回目より先から始めることができます。
反対に、うまくいったときにも確認が必要です。
なぜ安定した結果が出たのか。
偶然ではなく、もう一度再現できるのか。
別の形状や材料でも応用できる考え方はないか。
成功した理由も残しておけば、経験は会社のノウハウになります。
つまり、昨日の結果をきちんと残すことは、今日のスタート地点を少し前へ進めることでもあります。
毎回ゼロから始めない。
一度経験したことを、次の判断へ使う。
そうすることで、小さな改善でも確実に積み重なっていきます。
(株)アリスでは、現場の経験を感覚だけで終わらせず、次の仕事に使える形へ変えていくことを重視しています。
昨日より少し条件が分かる。
昨日より少し早く問題に気づける。
昨日より少し良い方法を選べる。
その差は一日では小さいかもしれません。
しかし、それを積み重ねれば、数年後には大きな技術の差になります。
昨日の経験を、今日の判断材料に変える。
その繰り返しが、研究開発から生産現場までを安定して支える力になると考えています。